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December 11, 2010

  若き日の瑞々しく輝く音色を誇れ(1)

先だってのこと、日本人ピアニストが、ジュネーブ国際音楽コンクールで1位になったことが報じられ、ウイナーは俄にメディアの餌とされておりました。

その日本人ピアニストが優勝しましたジュネーブ国際音楽コンクールは70年の歴史があり、そのなかで(ピアノ部門では)ミケランジェリやグルダ、そしてアルゲリッチなど錚々たる人物が1位を獲っておりまして、その威厳を守るためか、たいへんな難関コンクールとして有名でございます。かの現役最高峰の巨匠ピアニスト、マウリッツォ・ポリーニでさえ、1957年にアルゲリッチに破れて2位とされ、翌年再挑戦し、トップの成績を収めるも1位なしの2位という評価が下される厳しさなのですから。

このようなコンクールで堂々の1位を勝ち取った萩原麻未(まみ)さんですから、メディアに注目されるのも解る気がいたします。
ところが、聴くところによりますと、メディアはこの栄えあるウイナーに対して、架空の人物である「のだめ」と対比しているのだそうです。それはコンクールとウイナーに対して失礼なことではないのかと思うのですが、、、いかがなものでしょうか(ご本人はイマドキな人でしょうから、満更でもなかったりして)。さらに音楽的な面で彼女を紹介する機会の少なさ。結局騒いでいるだけで、(わたくしも含めて)誰も彼女の演奏を聴いたことがないのです。

かつて海外のコンクールを制した日本人演奏家の何人かは、そのコンクールでの演奏がCD化されております。例えば02年にチャイコフスキー国際コンクールで優勝した上原彩子さんや、記憶にまだ新しい昨09年の辻井伸行さん(これこれ)(ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール)の優勝時のことですが、彼女、彼らのように今回の萩原さんのコンクール・ライブもCD化されないかしら。彼女が弾くラヴェルのコンチェルトを是非聴いてみたいのです。
そして前述いたしましたが、同コンクールで同じラヴェルを弾いて優勝したマルタ・アルゲリッチの演奏と比較してみたいものです。

音楽のことを語られることが少なかった今回の萩原麻未さんの報道の中で、唯一知り得たものを最後に紹介しておきたいと思います。11月19日の毎日新聞・夕刊、彼女の優勝を伝える記事のなかから、コンクールの審査員であった岡本美智子さん(桐朋学園大教授)の談話を引かせていただきます。

「萩原さんのラベルは自然に音楽が流れ、繊細で軽やかなタッチの美しい音色が魅力。特に3次予選のシューマンの『子供の情景』には審査員みんなが感動した」

とのことです。

posted by mniijima : Dec 11, 2010

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