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March 30, 2010

フリーダ・カーロについては、もう此処であれこれと記す必要はないでしょう。小児麻痺に苦しみ、交通事故で瀕死の重傷を負い、さらには未熟な手術を何度も受け、生涯にわたり痛みを伴った身体、そして美術家(壁画家)である夫との一時の幸せを経ながらも結局は彼との関係で心までとことん傷ついていった。そんな女性の内側と外側を自身の絵筆に託し、カンバスにぶつけていった人。彼女の伝記映画「フリーダ」を見たのはもう7、8年前になると思いますが、あの映画には歌が満ちていたことを鮮明に記憶しております。
その歌に満ちた映画の歌を聴きたくサウンドトラック盤はすぐに購入いたしました。
●Amazon(国内盤):映画「フリーダ」オリジナル・サウンドトラック
●Amazon(US輸入盤):Frida [Music from the Motion Picture](US輸入盤)
●iTunes Store:Frida (Soundtrack from the Motion picture)
この映画とサントラ盤によって、わたくしは、Chavela Vargas(チャベーラ・バルガス)と、Lila Downs(リラ・ダウンズ)という偉大な歌手を知ることができたのは素晴らしい体験でございました。
劇中、薄暗い酒場で歌っていた老女がチャベーラ・バルガス。歌は「ラ・ジョローナ」と云い、泣く女(注1)という意味だそうです。彼女はコスタリカ生まれで、移住後のメキシコを代表する民俗歌謡の歌手とのこと。皺枯れた声から響く深さは40年前に録音され、映画のサントラにも採用された「パロマ・ネグラ(黒い鳩)」でも聴くことができるのですが、「フリーダ」出演時、83歳、その撮影のときに12度のテイクを重ねて同時録音されました(注2)「ラ・ジョローナ」の魅力に至っては、わたくし自身それを言葉にする力がないことを、唯悔いるばかりでございます。
リラ・ダウンズの太い声は一度聴いたら忘れられないものになりました。まずは何度も映画のなかで歌っていた姿に彼女は誰?と思ったのでした。映画/サントラで、チャベーラより速いテンポで「ラ・ジョローナ」を歌い新旧対決をしておりますが、彼女もまた素晴らしい。ここでの出会いを経て、その後わたくしはリラ・ダウンズの作品を追いかけることになったのでした。
メキシコの古い俗謡が持つ美しさを、深く太い歌唱と洗練されたアレンジでもって、わたくしたちの前に現出させた中堅〜ベテラン歌手。
国内で入手可能な盤(いずれも輸入盤になりますが)で初期のもの2作「La Sandunga」と「Tree of Life」が、もっとも古典的要素の強いアルバムだと思います。

中期(?)の2作「Border (La Linea)」と「Una Sangre (One Blood)」になり、増々洗練されたメキシコ俗謡を聴くことができます。

さらに最近の2作「La Cantina」と「Shake Away/Ojo de Culebra」に至っては、さらなる世界観の拡張へ挑戦しているように感じます。
(この2作はiTunes Storeでも購入可「La Cantina」、「Shake Away」)

もし興味が湧いた方がいらっしゃいましたら、まずは「La Sandunga」と「Una Sangre (One Blood)」という組み合わせで購入してみるのがよいかもしれません。
そして今年の4月はライブ・アルバムがリリースされるとのこと、増々楽しみな歌手なのでございます。
さらにはケルティック・アイリッシュを代表するバンド、ザ・チーフタンズとライ・クーダーのコラボレーション・アルバム「San Patricio」にて、チャベーラ・バルガスとリラ・ダウンズの歌声を聴くことができることも記しておきましょう。
●MADCONNECTION: 「The Chieftains Featuring Ry Cooder」
(注1)ジョローナには葬式などに雇われて「泣く女」という意味があるそうです。サクラ?「フリーダ サントラ国内盤」歌詞対訳の注より。
(注2)同じく「フリーダ サントラ国内盤」にて、音楽担当のエリオット・ゴールデンサルのライナーノートによります。
posted by mniijima : Mar 30, 2010
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