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January 13, 2010
水も滴るいい演奏。オトマール・スウィトナーという指揮者が導きだすモーツァルトには、そんな感想を述べたくなります。
昨日の夕刊に訃報記事が掲載され、いたく残念な気持ちにさせられました。
わたくしがクラシック音楽を聴き始めたころはNHK交響楽団の名誉指揮者として、サバリッシュやシュタインなど同じくドイツ系の指揮者たちと軒を軋るがごとく、わたしたちによい演奏を聴かせてくれたものでした。氏は90年以降、パーキンソン病を患い、引退されていたようですが昨年ドイツ制作のドキュメンタリー(父の音楽〜指揮者スウィトナーの人生)が国内でもBSで放送されたそうで、わたくしは観ることができませんでしたが、引退後の氏の姿が初めて伝えられ多くの感動を呼んだのだそうです。そこでは氏の東と西(ドイツ、或いはベルリン)での二重生活も明かされる(監督は西側妾宅の息子)内容も含んでいたそうですが、なんといってもその息子(=監督)ただ1人が見守る中で、かつての手兵シュターツカペレ(歌劇場管弦楽団)・ベルリンを病によって震える手で指揮をしたシーンがたいそう感動的であったようです。
ところで、この悲しい出来事を機に、彼の追悼のため、そのドキュメンタリーを再放送していただけないものかと希望するのは、いささか不謹慎で我侭なことでございましょうか? 氏が遠い極東の国に残してくださったこと、その仕事の誉れの高さを、思い出し、少しでもわたくしたちの記憶の深層にしまっておくためにはよい機会ではないかと思うのでございます。
昨夜はスウィトナー氏が残したモーツァルトから「フィガロの結婚」をLP(米・セラフィムレーベル盤)で聴いておりました。このドタバタ喜劇をスリリングに駆け抜けてゆくスウィトナーの指揮、シュターツカペレ・ドレスデンの艶やかな音色とルカ教会の天使が舞うがごとくの響き、そしてドレスデンの名歌手たちによる圧倒的な歌唱!
ここに最上のモーツァルトが聴こえてくるのです。
・スウィトナー指揮、フィガロの結婚(1964年/ドイツ語歌唱版)
そして今夜はCDで、フィガロ同様に極上の「魔笛」を聴きながら、このエントリーを書いております。ところが美しい演奏、歌唱のおかげで、なかなかキータイプが進まず、ようやっとここまで打ってまいりました。
合掌。
posted by mniijima : Jan 13, 2010
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comments
スウィトナーだなんて 何と懐かしい名前でしょう。
それに「フィガロの結婚」に「魔笛」!
大好きな演目です。
ここに来ると このようなエントリーがあるのが 本当に嬉しいですね。
きっと ずっとまだ心と耳に残っていて 体中がまだ浸りきった中からなかなか抜けられないんでしょう?
「なかなかキータイプが進まず」とおっしゃるのが 分かる気がします。
by 光代 : January 14, 2010 2:13 PM
スウィトナー.....恥ずかしながら、まったく知らなかったのですが、M.Niijimaさんのこの記事のおかげで、とても想像力を駆り立てられました。ありがとうございました。
あるいは既にご存知かも知れませんが、今日、NHK-FMのブログでこんな記事が.....。ご参考までに。
http://www.nhk.or.jp/fm-blog/050/33749.html
たいへん遅くなりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。
by mb : January 14, 2010 9:56 PM
光代さん、
コメントをありがとうございます。
70年代から80年代にクラシック音楽を楽しんでいれば、必ずやスウィトナーの名は耳にしたはずだと思います。
N響への客演だけでなく手兵のシュターツカペレを率いての来日公演などを楽しんだ方も多いと思います。
わたくしは一度だけ、職場でお会いした事がございますが、たいへん寡黙な紳士という印象でした。
名演、名盤の多い、フィガロに魔笛ですが、スウィトナーのこれらの盤は他に負けない魅力を燦然と放っていると思います。
フィガロの2幕、第15曲フィナーレの、第10場、11場、12場そして幕終わりへと、最終的には8重唱に膨らんでゆく其処の畳掛けかたが圧巻です。ここの素晴らしい歌唱の背景に、なんと能弁な音楽が付けられいたことか! スウィトナーの指揮によって知る事ができた幸せを噛み締めながらいつも聴いているのですよ。
by M.Niijima : January 14, 2010 10:51 PM
mbさん!
NHK-FMのブログの情報をありがとうございました。
N響への貢献から、必ずや追悼特集番組が組まれるとは思っていたのですが、ファン垂涎の充実ぶりですね。
90年代には引退されておりましたので古い人間程良く知っているという(笑)そういう音楽家でしょう。
しかし現在に至っても評価は高く、多くのCDが(少なくとも都内の大規模店舗では)並んでおります。
もし機会ございましたらDHMアニバーサリーボックスの合間にでもお聴きになってみてください。
オペラだけでなく、シンフォニーも素晴らしいです。
by M.Niijima : January 14, 2010 11:04 PM
mbさん、追記です。
嬉しい情報を寄せていただいたので興奮して、ご挨拶を忘れてしまいました。
あらためて、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
by M.Niijima : January 14, 2010 11:52 PM
M.Niijimaさま
そのあたりが大好きなんです!!
わあ、その説明を読んだら 欲しくなっちゃいました!!
by 光代 : January 16, 2010 12:54 AM
光代さん、
リンク先のHMVのサイトにはキャストは載っていても配役が記されていませんね。
伯爵:ヘルマン・プライ
伯爵夫人:ヒルデ・ギューデン
スザンナ:アンネリーズ・ローテンベルガー
フィガロ:ウォルター・ベリー
バジリオ:ペーター・シュライヤー
マルチェリーナ:アンネリーズ・ブルマイスター
ケルビーノ:エディト・マティス
その後、ドイツ・オペラ界でたいへん重要な仕事をするようになるペーター・シュライヤーとエディト・マティスは当時まだ20歳代であったようですが、既に素晴らしい歌唱を披露してくれています。そのドレスデン聖十字架教会合唱団出身のシュライヤー、魔笛では完璧なタミーノを演じています。彼の声は美しすぎます。
by M.Niijima : January 16, 2010 2:25 AM