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November 2, 2009
拙ブログへコメントをくださるfuRuさんのaf_blogにて東京国立博物館で行なわれております「皇室の名宝 1期」の展示取材エントリー中の、
「 若中 30幅 」
の言葉にすこぶる反応してしまいました。fuRuさんは、ブロガープレビューの取材員としてこの展示の公開に先立って見て来られたのだそうです。
af_blog『「皇室の名宝」@東京国立博物館-ブロガープレビュー』
同じく、『「もし1点だけ持って帰れるならどれにするか? どこに飾りたいか?」』
ところがなかなか上野の山にゆく時間を見いだせず、この第1期(11月3日迄)終了間近になって、ようよう行くことができたのでした。そして案の定、すこぶる混雑しておりました。
「1期1章」と題された間へ入りますと、人、人、人。そして聳える永徳の屏風。すごい迫力です。次の間へ足を進めますと、なにやらとんでもない色彩が目の端に入り込んでまいりました。これはヤバそうです。ああっ、と思い、思わず視線を床にし、その場を足早に立ち去り、さらに次の間へ。酒井抱月の「花鳥十二ヶ月図」の美しいこと。このシンプルさに心打たれました。
「2章」の部屋に行きますが、心中は足早に立ち去った色彩のことが気になって仕様がありませんでした。此処では平福百穂の「玉柏」に魅了されました。これは昭和の名画でしょう。上村松園の「雪月花」も美しい。ただし個人的に上村の作は花柳や市井の女性を描いているほうが好きです。たいへんな力作ですが平安貴族の雅やかさの表れが美しすぎて、かえって嫌いになりそうという単に無知蒙昧な趣向の問題です。
さて、その後は再び1章の部屋へ戻り、先ほど通り過ぎた第2の間へ。人が多く、最前列で見るために10分ほど並びましたが、その甲斐あって伊藤若冲による「動植綵絵」全30幅を至近に見ることができました。牛歩となって1幅、1幅、見てまいりますと、若中による精緻の極みが見えてまいります。
芍薬、梅、芙蓉などの花弁のグラデーションに息を飲み、鶏冠のグロテスクなリアリティに驚嘆し、紅葉した楓の朱、牡丹の緋、薔薇の唐紅に放心し、魚類や虫たちの世界のなかへ潜行し、白鳳のこんなこと誰も行なっていないのかもしれない細線による面の、いや立体の描画に唯々呆けたように口を開けることしかできなかった私なのでした。
永徳、応挙、その他、通常の展示ならば、どれもが主役になれる大作品群のなかで、わたくしの印象を一人でかっさらっていった若中。これはもう狂気一歩手前の凄みでありましょう。
第1期、残りあと1日でございますが、「動植綵絵」全30幅、これだけでも見に行く価値は充分にあると言えますから、是非。
上野・東京国立博物館 平成館
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
当日券 一般1,300円(2期とのセット券2,200円)
posted by mniijima : Nov 2, 2009
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comments
私も駆け込みで見てきました。
若冲の深い色合いとあまりの精緻さに、ただただ圧倒され、すこし疲れを覚えるほどでした。その気持ちを和らげてくれたのが鏑木清方の「讃春」、おぼろな春景色の日本画でありながら、昭和初めの近代構造物である鉄橋や自動車を描いているのが印象的でした。
by じんた堂 : November 3, 2009 11:08 PM
じんた堂さん、
駆け込まれたのですね。お疲れさまでございました。
鏑木清方の「讃春」。じんた堂さんがご自身のブログで書かれていらっしゃるように左右の隻で水上生活者と乃手のお嬢さんという対比、伝統的な生活と近代化された光景。遠方に霞む清洲橋の興趣も鏑木らしく、彼の意欲作だと思いました。
わたし自身、鏑木の作品は大好きで、鎌倉にございます「鏑木清方美術館」はお勧めです。機会あれば、そちらも是非!
「鏑木清方美術館」
http://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/
by M.Niijima : November 4, 2009 10:32 AM
拙記事のご紹介、ありがとうございます。
私ももう一度見たいと思っていたのですが、日程を勘違いしてかないませんでした。
今日から第2期が始まりましたが、初日の本日は即位の記念日ということもあり入場無料だそうです。朝から長蛇の列ができているとTwitterではつぶやかれています。こちらもぜひ行ってみたいと思っています。
それにしても、若冲だけでなく、とんでもないお宝ばかりで、あれだけいっぺんに並べて拝見させていただける機会なんてなかなかないですね。
by fuRu : November 12, 2009 10:21 AM
fuRuさん、
そちらにご連絡もせず失礼をしておりました。
いや、もう人が凄くて、fuRuさんがご覧になられた記事の写真(がらん、とした様子)を思い浮かべながら押しくら饅頭の中にいたのでした。
2期目はどうしようかと思案中です。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございました。
by M.Niijima : November 12, 2009 6:09 PM