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June 8, 2009

  超アナログ的プログラミング

勤め先の近くには学校がたくさんございまして、そのなかのひとつ大妻女子大学には、音楽学科はないようでございますが、それにしては珍しく立派なパイプ・オルガンが備わっている素晴らしいホールがあるそうで、6月8日にそのオルガンを使ったコンサートがあると町の掲示板にちらしが貼り出されておりましたので行ってきたのでした。


(↑ いいかげんな構図で恥ずかしい)

まず始めに、オルガニストで、この楽器の普及と啓蒙にご尽力されているという児玉麻里氏によるハンガリーの文化とオルガンについてのレクチャーがございましたけれど、心地よいホールのせいでしょうか早々に舟を漕いでしまいました(汗)
演奏はハンガリーから来られた、ブダペストの教会の専属オルガニストにして、リスト音楽大学の教授でもありますパールウール・ヤーノシュというかた。
シューマンのペダルピアノ(ピアノのペダルではなく、足鍵盤がついたピアノだそうで現代では存在しないのかしら?)曲からの移行版「4つのスケッチ」。
リスト(プログラムにリスト・フェレンツという名で載っていて誰?と思ったのですが、有名なあのフランツ・リストのハンガリー語名だそうです。)の「B-A-C-Hの音名によるプレリュードとフーガ」。そしてオルガニストの即興が試される「日本のメロディによる即興曲」。
シューマンは一度聴いただけでは何とも評しにくい楽曲でしたが、2曲目のリストはオルガン曲らしく、かつリストの絢爛さ、半音階的和声感がよく表れておりました。B-A-C-Hとは日本の音階名でシ(ナチュラル)-ラ-ド-シ・フラット。この偶然にも全て半音で隣り合った音をモチーフにフーガを奏でる意欲作。もちろんB-A-C-H、偉大なるバッハを讃えての曲。

ここのように大規模なオルガンは各鍵盤に相対します決まった音高のパイプが演奏可能な音域全てにわたって備わっているだけでなく、それぞれの音高で音色の違うパイプを複数本もっているようです。ですから外見からみえないところにも数多のパイプが仕込まれているのだそうです。
すなわちどのパイプを鳴らすか(同じ音高または同じオクターブ関係にある音を複数本鳴らして倍音構成を変化させることもできるそうです)によって様々な音色で演奏することが可能。もちろん楽想に合わせて曲の途中でストップ(と呼ばれる)レバーを操作して(どこを操作しているのか解りませんが自動的にアナログチックなレバーがバゴッバゴッと動くのです。超アナログ的プログラミング)音色を変化させたりもします。
ただ図体がでかいだけではなく至極複雑な装置でありますオルガンは、耳をくすぐるような音から、人を圧する音まで、気の遠くなる組み合わせの音表現が可能で、在る意味アナログ時代のシンセサイザーの発音原理に似ていると思います。
というようなことをプレ・コンサートでハンガリーの民族衣装(なのか?)を纏った素敵なオバサマがお話しされたのかどうかは判りませんです。

posted by mniijima : Jun 8, 2009

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comments

なんだか、と〜〜っても楽しいコンサートだったようですね。
B-A-C-Hの半音で隣り合っている音を使ってのフーガ、粋でおもしろい試みですね。リストってそんな人だったんですね。

そして、パイプオルガンって そんなに複雑で多様な音が出せる物だったんですね!知らなかった〜〜!!

M.Niijimaさんのブログは 面白い!!
知らないことがいっぱい有って、ここで学んだことを 実際に聞いてみたくなりますもの。
きっと 他にも同じような方々がいらっしゃると思います。
音楽界に大貢献ですね!!

by 光代 : June 9, 2009 4:45 PM

楽しかったですよ、とーっても!
なんだか完全に音楽ブログになりつつある傾向が...
当初のAcross the Street Soundsは写真のみで文章を記載していなかったのです。それを写真や音楽、映画など文化芸術全般を対象にしたくて、写真のみのブログをいったんリセットして再出発したのがこのブログなのです。

そして光代さんのように、いつも温かい目でご覧いただいている方々がいらっしゃることで、ああ、このようなスタイルにしてよかったと思うのですよ。
本当にありがとうございます。

さて、リスト。
彼はピアノの名手で、超ウルトラ難度の楽曲もたくさん書いていますね。そして管弦楽においても当時の前衛の極みのような方ではなかったでしょうか。19世紀音楽を語るうえで和声の(これまでからの)変化は外せないものですが、その新しい和声の積極的導入という面でリストは重要な人物であったと思います。
その一流中の一流の彼が、時代から忘れられていた大バッハ(メンデルスゾーンによってその偉大さが紹介され、再認識されたような時代だったようです)を讃えた楽曲。私的にはバッハの時代のことの勉強が追いつかず状態なので、今回のリストの曲を聴きますと、ああバッハ的! オルガンらしい! そしてリストらしさもある! と単純に思えてしまうのです。本当はバッハの時代のオルガン曲なんてもっともっと深いものがあるのでしょうが、わたしの貧弱な知識ではこの程度の認識なのです。
ところで、前衛作曲家のイケメンピアニスト。しかも超絶技巧の持ち主。さぞモテたでしょうね、リスト君。

by M.Niijima : June 10, 2009 2:00 AM

リストの映画であれば、
以前、名画劇場でショパンを主人公にした古いモノクロ映画が放映されました。その中にリストが登場し、ショパンと二人でピアノを弾くシーンがありました。ジョルジュサンドとの恋愛を盛り込んだラブストーリーだったような・・・もちろん映画ですのでリストはイケメン。調べてみたら、どうやら「別れの曲」(1934年)、戦前のフランス・ドイツ映画ですね。

by じんた堂 : June 10, 2009 9:00 PM

流石、じんた堂さん。
そのような映画があったとはまったく存じませんでした。
調べてみますとDVDでは発売されていないようですね。そうなると益々見たくなってしまいます。
来年はショパン生誕200年ですから期待して待ってみます。
貴重な情報をありがとうございました。

by M.Niijima : June 11, 2009 1:19 AM

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