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June 6, 2009
ブラームス 交響曲第1番ハ短調。今年3月にハンス=マルティン・シュナイト氏の感動的な名演に触れたばかりですが、その1台4手用ピアノ編曲版が聴けることになるとは、なんと楽しみなことでしょう。
ドゥオールのお二人はたっぷり40分かけて、この重層的な楽曲の構成構造を浮き上がらせながらの熱演を繰り広げてくださいました。オーケストラで聴き慣れ親しんでまいりました、あのライン、このライン。あの響き、そしてあのトレモロが1台のピアノから、4本の手を通じて再現されてゆきます。なんと楽しいことでしょう。
アンコールにはCDに収録されましたラヴェル作曲、スペイン狂詩曲から「フェリア」を弾いてくださいました。ラヴェルの響きは絢爛です。ブラームスの直後に聴きますと、まったく響きの質が違うことを徹底的に認識させられます。
ブラームスの重厚さ、割と単純な音フォルムが幾重にも積み重なって壮大な伽藍を築いていますが、ラヴェルのようなワイドレンジな上から下まで透明性と鋭角性をもって輝くような響きは持っておりません。
よくドイツ系(殊に旧東独)のオーケストラの響きの特徴を指して「燻し銀」という言葉が使われますが、決してそのようなオーケストラがきらびやかな響きをもっていないとは思えません。これ単にベートーヴェンやブラームスといったドイツ・オーストリア圏の音楽を得意とし、名演名盤が多数揃っているオケですから、楽曲そのものが持っている響きが、オケの代名詞となっていってしまったのではないかと思うのです。
そう、ブラームスの楽曲こそ「燻し銀」と呼ぶに相応しい響きを持っているのだとドゥオールの演奏によって明確に認識させられたのでした。
posted by mniijima : Jun 6, 2009
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