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March 15, 2009

  出航の銅鑼の音よ、私達の大切な師を無事に送り出したまえ(1)

悲劇的序曲。ブラームスが書きましたコンサート用管弦楽曲。明るい調子の「大学祝典序曲」とともにコンサートではよく演奏される人気曲でしょう。
ハンス=マルティン・シュナイト、神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、先週の第1交響曲の好調を維持したまま、鋭いアインザッツをもってこの曲を演奏されておりました。

縦に積み重なる音バランスの重厚さと、横の流れのシャープさは、この曲の魅力を随分高めていたと思います。演奏の完成度もいままでで一番良かったように思えますから、わたくしの嫌いな余韻を充分に聴かないうちの「ブラボー」の雄叫びも、この演奏内容と、シュナイト氏が音楽監督としておこなう最後の神奈川フィル定期公演のこの日ならば仕方がないかなと苦笑いをしたのでした。

2、3曲目は同じくブラームスの、これはあまりプログラムには載らないかもしれませんが合唱とオーケストラによる楽曲で「哀悼の歌 op82」と「運命の歌 op54」。
わたくしは1982年に収録されましたジュゼッペ・シノーポリが珍しくチェコ・フィルハーモニーを指揮しましたブラームスの合唱を伴った楽曲集のLPを持っており、そのなかにこの2曲が収録されて、随分楽しんできたのですが、今回のこの公演チケットを購入後に久々にかけてみますと、もうブチブチパツパツがひどくて、チェコ・フィルのホームであります「芸術家の家」という意味の「ルドルフィヌム」の美しい残響が散々な音になっており、中古CD(新品は入手困難かも)で、4枚組LPの一部を抜粋した盤を買い直したのでした。もちろんCDにも「哀悼の歌」と「運命の歌」はセレクトされておりました。
ともに木管楽器による美しい前奏を持ちまして、神奈川フィルの演奏もとても楽しみにしていたのです。
シノーポリの快活なテンポと左程変わらぬテンポで始まりました、まずは「哀悼の歌」。オーボエによって歌われる全奏の旋律の美しさ。ホルンがカウンターのラインをいったり、陶然とした心地にさせられます。弱く合唱がはいってきて、温かなシュナイト・サウンドが形成されてゆきます。
今回のプログラムと、それがシュナイト氏による最後の定期演奏会であることを認識したとき、うわぁ、この曲の並びはやばいぞ、と思ったのでした。
曲が盛り上がる中盤で、ティンパニーがリズムを刻むところの感動的な合唱はどうしようもなく涙を誘うのです。
ああ、ほんとうに温かい音です。

posted by mniijima : Mar 15, 2009

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