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January 20, 2009
フルートは、他の伴奏楽器と一緒に、またはアンサンブルの一員として演奏することがほとんどなのですが、そのフルートによる無伴奏(すなわち伴奏者をともなわずにたった一人で演奏する)の楽曲といえばドビュッシーの「シリンクス(シランクスと表示されるケースもあります)」以外は存知ませんでした。
昨年の9月、朗読と独奏フルートのコラボレーションCDを作成するため、まずはフルートのみを録音したのでした。
朗読者もフルーティストも旧知の友でありましたので、みんなで和んだ雰囲気のなか録音は進んでゆきました。独奏曲はシリンクス以外にもあるのですね。同じフランスもので、オネゲルやフェルーといった作曲家による楽曲たちです。オネゲルは自らが好きであった機関車を題材にした「パシフィック231」、スポーツを賞賛した「ラグビー」などエモーショナルな楽曲で20世紀前半に活躍した人ですが、先にあげました2曲以外存じ上げませんでしたので、今回のフルート独奏曲はたいへん意外なものでした。
それにしてもオネゲルによる「(無伴奏フルートのための)牝山羊の踊り」は神秘的であったり、愉快であったり、神妙であったりと、まったくまったく饒舌な音楽です。そして、わたくしたちのフルーティスト・遠藤尚子さんによるこの曲の演奏がまた素晴らしかった。録音中、目は譜面と睨めっこでジャッジメントしてゆくのですが、オネゲルの書いた音符たちが活き活きと動き出すように感じられたものです。
ピエール=オクターヴ・フェルーも20世紀前半に活動していたフランスの作曲家。今回は「無伴奏フルートのための3つの小品」から「恋する羊飼い」「ひすい」の2曲を取り上げました。
フェルーの音楽に初めて触れましたが(とはいえこの「〜3つの小品」以外はほとんど知られていないのだそうです)、全音階書法を用い書かれているようですが、ドビュッシー的であり、和の雰囲気も感じられます。殊に「ひすい」のほうはまるで祭り囃子のようです。
なかなか音源も乏しいようですが、フェルーの他の作品も是非聴いてみたくなりました。
そのほかドビュッシーのシリンクスはもちろんのこと、国内作家では大江光氏の作品、石川啄木の詩が附いた越谷達之助氏による「初恋」、そして宮沢賢治の曲「星めぐりの歌」も含む8曲を新鮮な気持ちで収録いたしました。
posted by mniijima : Jan 20, 2009
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comments
私はアルバム"Toru Takemitsu Requiem"に収録されているオレル・ ニコレ演奏の"Air (for flute)"が好きです。
それと"Eric Dolphy"のアルバム"Last Date"の"You Don't Know What Love Is"冒頭の無伴奏フルートソロも好きです。
なんとなく武満は"Eric Dolphy"を意識して作曲したような気もします...私の勝手な思い込みですが...(^_^;)
by iGa : January 21, 2009 10:07 AM
さすがはiGaさん。わたしの好奇心をズバり突いてくる楽曲のご紹介をありがとうございます。
(この返信コメントは、是非続きを書きたく、しばしお待ちくださいませ。)
お待たせいたしました。(updated at 1月21日 23:50)
武満曲の本質、フレーズの行間とか、静寂間際の余韻、そういったものを表現するに無伴奏フルートこそ向いた楽器のように思えます。YouTubeなどで(別の演奏家のものでしたが)「Air for Flute」を聴いてみましたところ、まさに彼の真骨頂の音楽であると感じました。
せっかくなので、かつてリヒター指揮のバッハなどで楽しんだニコレの演奏も聴いてみたいですね。
Eric DolphyのLast Dateも未聴でした。これはLPで聴いてみたいなと(最近LPに嵌っているのです)仕事帰りに早速入手しまして、先ほど一聴いたしました。...LPでと云いつつiPOD用にもA/D変換、ファイル化したのですが(^^;
生憎輸入盤は見つからず、イラスト・ジャケットの国内盤ですが程度のよいものでした。
このアルバム、Dolphyはもちろん云うことないのですが、ピアニスト(オランダの地元ミュージシャンのようですね)もまた素晴らしいですね。
You don't know what love isですが冒頭のゆらぎが感じられるソロ、心地よいです。そしてエンディングでまたソロとなったところでの分散和音的アプローチもなかなか面白いです。よいアルバムを教えていただき重ねてお礼申し上げます。
by M.Niijima : January 21, 2009 6:02 PM
M.Niijimaさん、お葉書ありがとうございました。
DRUG展、お近くにおいでの際には、是非お立ち寄り下さいね。
実は私も少々写真から遠ざかっていて、
今はアコースティックギターに夢中なのです。(笑)
フルートについてはまったく詳しくないのですが、、、
ギターなら岸部眞明さんをおすすめします。
その演奏の表現力は圧倒的です。
CDももちろん良いのですが、やはりライブが素晴らしいです。
音楽に詳しいNiijimaさんの好みに合うかどうかわかりませんが、、、
よかったらぜひ一度聴いてみてくださいね。
LPいいですよね。私も集めています。
by MITSU : January 22, 2009 10:19 PM
MITSUさん、ご無沙汰しております。
そうですか。DRUGのほうで活発に写真をされていらっしゃると思っておりましたから、遠ざかっていて、というお言葉は意外でした。
お勧めの岸部さんという方のギター、機会あれば是非聴いてみますね。
わたしはLPいっぱい買っちゃって、もうどうするんだ、って感じになってます(^^;
by M.Niijima : January 22, 2009 10:38 PM
Niijimaさん、こんばんは、
先ほどYoutubeでオネゲルのフルート曲(Honegger:Danse de la Chevre )「牝山羊の踊り」を聴いてみました。なるほど静かに始まりながら饒舌な部分もある面白い曲ですね。これからも音楽と写真、そしてオーディオの話しを楽しみにしています。
by じんた堂 : January 25, 2009 10:00 PM
じんた堂さん、
早速オネゲルを試聴されたとのこと。まったく便利な時代になったものです。
この状況をうるさく言う人も少なくありませんが、わたくしは歓迎しています。その(視聴)経験の機が興味の萌芽となることを信じているからです。
さてオネゲルですが本文でも触れましたように機械とスポーツといった近代文明文化を重視した作家ですが、かねてから営まれている人と自然、または他の生物との共生といった面への注意深い観察があってこそ、この「牝山羊の踊り」の音符が生まれたのだと思います。まったく興味深いです。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございました。
by M.Niijima : January 26, 2009 10:46 AM