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July 21, 2008
  川の地図辞典(2)

今年がはじまって早々のころ、水路好きのわたくしを甚く興奮させた一冊の本がございました。それは瞬く間にご近所ブログでも評判となり、もちろん拙ブログでもエントリーさせていただきました「川の地図辞典」のことでございます。
その後3月には、著者、菅原健二さんを交えた「川の地図辞典」出版記念ウォークも開かれ、春うららな一日を楽しんだのでございますが、先の当書籍をご紹介しましたエントリーでは、柳橋近く、神田川の護岸のうえで、この本を開いたところのケータイ画像を併せて載せたのですが、なんとその画像、出版社であります「之潮(コレジオ)」さんの目に止まり、書店向けのカラー刷り広告用に利用をさせてもらえないかとのご連絡をいただいたのでした。
いやいや、たいへん光栄な仰せではございますが、なにせケータイ画像のため、印刷に適応するほどの解像度を持ちえていないのでして、これは折角のことですからと、再度柳橋へゆきまして、カラーネガティブにて撮影し直したのでした。

さてさて、出来上がった広告は以下のものでございます。


(click on the image for enlarged)

(pdf版 = 約4メガ はこちら。もし書店様などがご覧いただき、紙媒体資料として必要な方はこちらをダウンロードくださいませ。)

再度、書籍を紹介をさせていただきますね。

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川の地図辞典 江戸・東京/23区編
[フィールド・スタディ文庫 Collegio Field Studies 1 ]
菅原健二著
本体価格3,800円+税(190円)
ISBN978-4-902695-04-5
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(平成20年7月)現在、取り扱っている書店さんは、「ジュンク堂」、「信山社(岩波ブックセンター)」、「紀伊國屋書店」。
また「八重洲ブックセンター」、(不忍ブックストリートの)「往来堂」、「オリオン書房立川ノルテ店」等が取扱実績があるとのことです。
なお大手流通の取次ぎを通じて、何処の書店さんからでも注文ができるようですから、在庫のない店舗でも入手可能とのことです。


-柳橋と川の地図辞典- (Mar '08)
Taken with the Nikon new FM-2 with the Nikkor 35mm f2 lenz.
Fuji Pro400 Color Negative Film / 自家現像

11:00 PM permalink | comments (12) | trackbacks (0)

July 16, 2008
  精霊棚に手を合わして

月日は百代の過客なので、ああもう、あれから1年が経ってしまったのだと呆気に取られることが多くなってまいりました。
佃島へゆきますと、今年は住吉様の例祭が3年に一度の本祭りであることから、お社を中心として、1丁目町内、殊に佃掘りの周囲は、その準備が進んでいるようです。
普段から静かなこの町内が、神聖な雰囲気に包まれてゆくなか、東京では唯一、念仏踊りの様を残す、此処の盆踊りを見に、13日からの3夜連続で行なわれるうち、14日にほんの少しだけ、そして15日にたっぷりと、ここの住民の方々によってたいせつに執り行なわれる祭りを、そおっと楽しませてもらいました。
まず、しなくてはいけなかったことは精霊棚の無縁仏に手を合わせることでした。


そして踊りの様子をたくさん写真におさめてきたのですが、それはまた後日、紹介できるものがあればエントリーしたく考えております。
それまでは、しばし、昨年のエントリーをご参考にしていただきたく思います。

・平成19年7月15日エントリー「佃島

・平成19年7月19日エントリー「人も草木も盛りが花よ(1)

・平成19年7月21日エントリー「人も草木も盛りが花よ(2)

・平成19年7月23日エントリー「人も草木も盛りが花よ(3)


因みに、上記「佃島」のエントリーへ話しをもってゆくための導入部(笑)、「祖父の顔、祖父の写真」、「日本橋魚河岸」も、お時間のある方はどうぞご覧くださいませ。

6:13 PM permalink | comments (0) | trackbacks (0)

July 5, 2008
  浄化を表す響き

多忙を言い訳に、このブログの更新を一月以上もサボっていました。
文章を書くということに、まったく集中力を維持できなかったのです。そのような時期に、わたしくしを癒し続けてくれたのは、R・シュトラウスのオペラでした。

リヒャルト・シュトラウス

この19世紀後半から、20世紀前半に架けて活躍した作曲家、一般的にはキューブリックが映画化した「2001年宇宙の旅」で使用された「ツァラトストラはかく語りき」の導入部の音楽がもっとも有名でしょう。それでもこの曲からは、彼の音楽の魅力のほんの一部しか表れていないのです。
彼は、この曲のような交響詩というジャンルをキャリアの前半に書きまくりましたが、後年は、ひたすらオペラの作曲に精を出すことになります。
過剰な言葉と、こってりと美しい旋律、豊穣なオーケストラ。20世紀中盤になっても、19世紀を引き摺ったようなスタイルを貫き通した彼の曲は、保守的かもしれませんが、抗えない美しさに満ちているのです。
一幕あたり、およそ60分前後の長さは、通勤時のBGに適しておりまして、毎日の電車のなかで、リーザ・デラ・カーザ、ヒルデ・ギューデン、グンドラ・ヤノヴィッツ、ルチア・ポップやディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの歌声を聴きながら「薔薇の騎士」「アラベラ」「ダフネ」「カプリッチョ」などを取替えひっかえ聴き続けておりました。

7月にはいって、ようやっと落ち着いてきた感がありましたが、本日も通勤。
ところで今朝選んだ楽曲は、一気に時代を遡り、18世紀へ。モーツァルトの美しい宗教曲、「ハ短調の大ミサ曲」でした。悲壮なキリエで始まる、このミサ曲を聴くと、心洗われるような気持ちになるのです。
そのような気分を味わいたくなったのは、ひとえに前の晩の体験が因を為しておりました。


普段番組表も見ないわたくしですが、iGaさんのMADCONNECTIONを拝読していましたら、これは見なければ、という番組が紹介されておりました。

NHK教育テレビ「芸術劇場」にて、スティーヴ・ライヒの特集、すなわち情報系コーナーと、来日コンサート・ライブ、そしてスタジオ収録のライブが用意されていたのです。
10年と少し前、1996年、わたくしはライヒ氏の実演を観に、常磐自動車道を経て、水戸まで、かの地の芸術館コンサートホールまで出かけていったのでした。そのときは「クラッピング・ミュージック」「ドラミング」「六重奏曲」「ピアノ・フェイズ」、そして古典四重奏団による「ディファレント・トレインズ」を楽しんだのですが、そのとき、どの曲においても、わたくしは、音が発せられた後に来るディケイまたはリリース、すなわち減衰してゆく音が、いかに次の音(のアタック)によってかき消されるのか、また和音の推移によっていかなる共鳴のうねりが生じるのかといったことばかり聴いていたように憶えております。そしてそれがミニマル・ミュージックと呼ばれるジャンルの音楽の楽しみ方の唯一の方法(もちろんそれが唯一の鑑賞法でないことは明白ですが、当時のわたくしは理解不足でした)であるとも思っておりました。

ところで、昨日の番組内、本年5月に来日した彼のコンサートライブ、では、日本初演となった最新作「ダニエル・ヴァリエーションズ」が披露されました。
弦楽四重奏に、鍵盤パーカッション類、3台のピアノに声楽を伴ったこの新曲。痛々しい響きが、最終章で浄化されてゆくように立ち昇っていったことに瑞々しい感動を覚えました。この曲、テロリストによって殺害されたアメリカ人記者・ダニエル・パールの言葉と、旧約聖書のダニエルの書によるテキストを創造の根幹としているのですが、このような響きがライヒの音楽にもあるのだと、あらためて、氏の創造性の豊かさを感じるとともに、ミニマル・ミュージックの真価と進化を認めることができた貴重な時間でした。

今朝、モーツァルトのミサ曲を選んだのは、その「浄化」というキーワードを引き摺っていたため。まったく異なる時代の、異なるアプローチの音楽でもってその気分を再び感じ入ったのですが、音楽というものは、百家百首とでもいうように、幅が広く、奥が深いものであると、あらためて思ったのでした。
そう、そういえば、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ダフネ」のフィナーレも、最後は月桂樹だけが歌うのです、という作曲者の言葉どおり、ダフネは、欲望の虜となったアポロの悔恨の念を受け入れ、自らの気持ちを純化し、そのダフネの心の浄化を象徴するがごとく月桂樹に変容を遂げてゆくのでした。

・わたくしの大好きなブログ、mbさんによるmemorandaにもライヒ氏の番組が記事となっておりました。

・「ダニエル・ヴァリエーションズ」に感動を覚えたのは、わたくしだけではなく、af_blogのfuRuさんも、なんて素敵なことでしょうか、涙溢れるほど心を動かされたようでございます。


※7月6日追記:上記本文にて『弦楽四重奏に、鍵盤パーカッション類、3台のピアノに声楽を伴ったこの新曲』と、ダニエル・ヴァリエーションズの楽器編成を記したのですが、iGaさんのエントリーに追加で挿入されたクリップ画像を拝見するに、ピアノは4台でありました。あと木管2本ね(これは憶えていたのですけどね...)。

11:59 PM permalink | comments (6) | trackbacks (0)