« 川からは空が見えるのが望ましい(19) | main | 妻の懐妊を望むあまりに大公はそれを贈った »

May 16, 2008

  川からは空が見えるのが望ましい(20)

前エントリーにて、東京・江東区、小名木川に在ります扇橋閘門の姿をご紹介いたしました。
そこで閘門につきまして、ご説明しなければと思っていたところです。

閘門とは、wikipediaの「運河」のページ、「水位差の調整」項に、端的に記されておりますので引用させていただきます。

標高に差のある地形に運河を建設する場合、水位の高低差を調整する仕組みが必要になる。この仕組みとして、閘門、インクライン、ボートリフトなどがある。

閘門
閘門(こうもん)とは、閘室と呼ばれる前後を扉で仕切った水面に、片方の扉を開けた状態で船を入れて扉を閉じた後、他方の扉側の水路の開閉によって水位を昇降させ、その後他方の扉を開けることにより船を昇降させる装置。
(wikipedia日本語版「運河: 1 水位差の調整 ~ 1.1 閘門」より引用)

ということでございますが、イメージできましたでしょうか。一般的には、パナマ運河のそれがもっとも有名でしょう。

さて、此処、扇橋閘門は、東側の旧中川方向の地盤が低く、西側の隅田川方向との水位差が存在することで、この閘門装置が設けられております。
ところで、江東区の水路は、それらに接している大河、隅田川の影響を受けます。隅田川のこのあたりはほとんど河口でありまして、潮の干満により、水位が(そして水流も)かなり変化いたします。
扇橋閘門西側も、この隅田川の影響を受けることより(感潮河川と呼ばれるのだそうです)、単に標高差の問題だけでなく、変動する水位差というオプションも加味されての調整ということになっていることも挙げておかなければなりません。

この扇橋水門の構造を簡単に示したgifアニメーションが扇橋閘門を管理しております「東京都江東治水事務所」のページにございました。

扇橋閘門の仕組

神田川船の会のスタッフに伺いましたところ、扇橋閘門を挟んでの水位差は(先に記しましたように隅田川側の干満に左右されます)概ね1~2メートルくらいとのことでした。

この小名木川、扇橋閘門を越えて東にゆきますと、荒川放水路から分流した旧中川にぶつかります。それをくだり、再び荒川と合流する地点には2005年10月に完成の「荒川ロックゲート」という閘門施設がございます。
旧中川と荒川放水路に挟まれた土地には大島小松川公園があり、そこにはかつて稼動しておりました旧小松川閘門の遺構がございますが、そのすぐ南に位置しております。
さらに、東京では江戸川放水路と旧江戸川の分岐する(江戸川区東篠崎町)ところに、「江戸川水閘門」がございます。


さて、世界中にございます閘門ですが、英国オックスフォードのたいへん素敵な光景をKai-Wai散策のmasaさんが撮影なさっておりますので、是非そちらもご覧くださいませ。
・Kai-Wai散策「オックスフォード便り(11)

posted by mniijima : May 16, 2008

trackback

trackback URL for this entry:
http://www.mniijima.com/across/cgi/mt/mt-tb.cgi/282

comments

拙ブログを紹介くださいまして、ありがとうございます。オックスフォードのロックについてのエントリーをした後、東京のロックも見ておかねば…なんて思っていたのですが、つい喉元過ぎれば…で、まだ実現していませんでした。…そんなことをしているうちにNiijimaさんのこのエントリー。すっかり忘れていたことを思い出させていただきました。
しかし、東京にあるロックは、ほんとに大仕掛けで、英国で見た日常生活の道具という雰囲気のロックとは別物…という感じがしますね。やはり親水度の違いと言うのでしょうか…。その辺りの意識の差というものが、なんだかとても重要な気がしてなりません。

by masa : May 17, 2008 3:25 AM

色々な閘門は知りませんが お二人の写真から判断すると、日本のは官のもの、イギリスのは民のものと言う感じですね。

大阪も沢山の運河があったのに 暗渠にしてしまったところもあります。私達が 水路の有り難みを忘れてしまったのでしょうね。子供の頃を思い出し 淋しく感じます。
今、心斎橋 道頓堀辺りを 綺麗に改修しています。道頓堀川は両サイドをお散歩出来るようにしています。
・・・と聞くと 素敵に思えて行ってきますと、川はもう勢いを削がれていて、私の知っている道頓堀川では有りませんでした。
何だろう?
水辺の再生のはずが 私のイメージとは 全然違っていました。川は建設をして行く上での素材でしか有りませんでした。
「ここをこう使ったら人が集まって 商売が上手く行く」って感じなのかしら?
この改修が息吹を持つためには ここを利用する人達が年月をかけて 大切にし続けないと行けないでしょうね・・・。

by 光代 : May 17, 2008 12:12 PM

masaさん、
そちらにご挨拶させていただく前にコメントをいただいてしまいまして、すみません。
masaさんがオックスフォードで撮られた一連の写真からもオックスフォードの親水具合が充分に伝わってきますが、それでも其処の人々の心の有様は、現地で触れるのと、そうでないのとでは理解度が違うでしょう。実際に英国のロックを、そして水路そのものを歩かれたmasaさんが仰る「親水度の違い」というお言葉には説得力がございますね。

それにしても、この扇橋閘門。江戸のまんまん中、日本橋より直線距離で3キロほどのところ。こんなところにこんな施設があったのかぁと、存在を知ったときにはずいぶん驚いたものです。いずれご一緒に閘門通過体験をいたしましょう。

by M.Niijima : May 17, 2008 4:27 PM

光代さん、
英国の民、そして日本の官という表現は、正鵠を射ているかもしれませんね。
高速道に乗り入れる感じ、路地を抜けて用足しにゆく感じの差と云いましたら大袈裟でしょうか。

道頓堀あたりは、おそらくたいへんな商業地区なのでしょう。水辺を改修して、小奇麗にし、そして人寄せ効果をと考えているのでしょうね。

ところで明治初期に日本へやってきた外国人は、東京の水彩都市としての美しさを多くが語っていたようです。ベネチアにも負けない都市景観だったそうです。江戸期から育まれた文化なのでしょうね。そのように長い年月をかけて大切にしてゆけば東京も大阪も美しい都市に戻れるのではないか、そのために必要なことを考えてゆきたいものです。

by M.Niijima : May 17, 2008 4:29 PM

post a comment




remember personal info?


(you can use some html tags.)