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May 6, 2008
黄金週間を終えようとしています。後半、関東地方はどんよりとした雲に覆われた日が続きましたが、最後の本日は素敵な青空を目にすることができました。昨今、この黄金週間に合わせ、東京有楽町ではラ・フォル・ジュルネという音楽祭が開かれております。(音楽祭につきましてはラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008公式ウェブサイトをご参照ください。) 1公演、約45分程度のものが求めやすい価格で販売され、朝から晩まで、いろいろな公演を梯子できるのがこの音楽祭の魅力なのではないでしょうか。
今年の音楽祭のテーマはシューベルト。早くから公演プログラムをチェックしていたのですが、どうも決め手に欠け、いや公演内容のせいではなく、わたくし自身がもたもたとしていただけなのですが、結局チケットを買い求めませんでした。
シューベルトと云いますと、まず歌曲王の異名があるほど、歌曲作曲における功績が大きいのですが、その他、ピアノ曲、室内楽曲、交響曲、オペラに教会音楽と、わずか31年の生涯でありながら、あらゆるジャンルに渡り多作しております。
わたくしは、彼の楽曲を多く聴いてきたわけではございませんが、わたくしにとってのシューベルトと云えば長らくは、交響曲9番(最近はスケッチしか残されていないホ長調曲・作品D729から交響曲としての通し番号「7番」を外すことが主流になっており、よってロ短調未完成交響曲を従来の8番から7番へ繰り上げ、この9番も8番へと変更されております。ただし長年親しまれた番号を変更するのはいかがなものかという意見も多くあるようです。)ハ長調「ザ・グレート」作品D944のことでございまして、いろいろな演奏を楽しんでまいりました。
ところが最近、ひょんなことで彼の第2交響曲(変ロ長調、作品D125)を聴きまして、その爽やかな5月の風のような楽曲に心奪われたのでした。
(下に、CDへのリンクを追記いたしました。'08.5.7.)
実演でも彼の初期交響曲に触れる機会はあまりございません(やはり5番、未完成、わたしの好きなグレートあたりがコンサートの定番でしょうか)が、CDの交響曲全集を買ってきまして、有楽町には行かず、自宅でシューベルトの日々を送る黄金週間なのでした。
購入したCDはリッカルド・ムーティ指揮、ウィーンフィルによる1986年から93年の間に収録されていった全集盤です。
(左に設けましたアマゾンへのリンク。わたくしはUK盤を中古で安く購入したのですが、新品の場合、US盤のほうが安いようです。そちらへのリンクも「ココ」に貼っておきます。)
この第2交響曲の堂々とした序奏から始まる第1楽章からは、わたくしどうしてもモーツアルトを連想してしまうのです。シンコペーションのリズムを伴いました快速の爽やかさであります。
2楽章は変奏曲。このスタイルはハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンと18世紀の大家たちが得意にしていただけあり、18歳のシューベルトの完成度にはまだまだなところがあるのは事実ですが主題メロの素晴らしさは、さすが歌曲王であることを感じます。
3楽章メヌエット。彼は懸命にもこれを短調で始めます。これでぐうっと深みが増し、そして向かえる長調へ戻ってのトリオ部、ここで2楽章の主題メロが回想的に現れ全曲の統一感を引き締めます。
終楽章は1楽章に似たつくりで快速の気持ちよさ。くり返しくり返し陶酔的に旋律が現れてくるシューベルトお得意の終楽章。気持ちいいのでございます。
そして2番だけでなく「ハマった」のは、第1交響曲ニ長調D82。寄宿制神学校時代の16歳、サリエリに指導を受けていたときに提出した力作です。これまた堂々たる序奏で始まる第1楽章。第2主題のメロの美しさといいましたら例えようがありません。そしてその展開に伴う和声のうつろい。歌曲王すなわちメロディメーカーとしての才、そして魔術的な和声の使い手であること、これらシューベルトが後世に残した偉大な姿の萌芽がすでにこの楽章に現れていることは驚嘆せざるを得ません。
2楽章アンダンテの美しさ。ムーティの棒はていねいに歌い上げ、ウイーンフィルがそれに応える、ときおり短調に転じる調の魅力とともに珠玉の時間。
弦が歌い上げるメヌエット3楽章。その合間に挿される木管楽器の愛らしさも、これら音色機能を充分に使いこなしたシューベルトならではのこと。そしてウィーン・フィルの木管! 中間部トリオはレントラー的舞曲です。
終楽章は相変わらずくり返しの美学。ところでいくらアカデミックな教育を受けていたといっても16歳の少年シューベルト。「モーツァルトのようなチョー・カッチョイイ曲を書いてやる」みたいな気負いがあったと思うのですよね。この楽章ではその若さ溢れる格好良さに惹かれてしまいます。はあ、気持ちがいい。
posted by mniijima : May 6, 2008
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comments
大好きだったはずの交響曲が 体に重く感じられて 人の声のあるものか、室内楽ばかり聞くようになっていました。
でも、このように書いて頂くと また 聞きたくなりますね。何歳でどんな状況で作られたか・・・・と言うようなことを意識して聞いたことが無かったので、このエントリーはとても新鮮でした!
「そうか!こんな風に聞いたら どの時代の物でも興味深く聞くことが出来るんだ!!」って。
成る程な〜〜〜,と深く頷きました。
by 光代 : May 7, 2008 5:52 AM
光代さん、いつもコメントをお寄せいただきまして、
ありがとうございます。
初めて(2番を)聴いたとき、良くも悪くも「若さ」を感じたのです。それで作曲年や背景を調べてみたのです。
たしかに交響曲は聴くに重く感じられるときがありますね。とは云え、わたくしには緊張感を孕んだ室内楽もダメになります。
そんなときに歌曲はいいですね。とくに50年代、60年代のものが心地よく聴くことができます。
by M.Niijima : May 7, 2008 5:07 PM
実は私、5月3日の日にその音楽祭に行ってました~。^^
モーツァルトとシューベルトの曲を聴きました。
まだまだ素人なのでクラシックの詳しいことがわからないのですが、楽しかったです。
雨降りでちょっと大変な日でしたが、たくさんの人が訪れていましたよ。
サリエリと言えば映画アマデウスに出てきたサリエリでしょうか。
by kumiko : May 8, 2008 6:33 AM
kumikoさん、こんばんは。
ラ・フォル・ジュルネでのコンサートを楽しまれたのですね。フランスの企画によるイベントですから、ちょっと他では味わえない雰囲気もあったのではないでしょうか。
ご推察の通り、シューベルトに教えていたサリエリは、映画「アマデウス」で一躍悪名を高くした、あのサリエリです。モーツァルトを意識して作曲などしたら、強く叱られそうですけれどね。
by M.Niijima : May 8, 2008 8:46 PM