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May 2, 2008

  うつくしい本たち

柳橋を撮影対象としましてから、興味を覚え、そして読みました幸田文さんの「流れる」。その文体にすっかり惚れ、その後いくつかの彼女の小説、随筆を読みました。幸田さんの本は、装丁が美しく、所有するのは文庫ではなく、是非単行本だと、そして「きもの」という作品は殊更にその思いが強く、美本を求めて、まだ手にしていなかったのであります。

先日neonさんの、nidoとのコラボ作品展に伺いましたとき、折しもあれ、谷根千界隈では、一箱古本市が開催されておりまして、わたくしの読書にかかせない情報をくださる、じんた堂さんも出品されておりました。
じんた堂さんの一箱のお店には、なんと新刊書であります「川の地図辞典」も置かれていました。傍らにはちらしも用意されている周到ぶりに驚き、そして喜ばしい気持ちへと導かれたのでした。


さて、じんた堂さんの一箱には、お父さんの趣味本として、戦前戦後のカメラの本、2眼レフを紹介する本であったり、写真(撮影技)術の本がございました。中味を拝見しますと、そんな時代の本とは思えないようなきれいな図、写真が挿されており、驚嘆したのですが、それらお父さんの趣味本は購入せず、お母さんの趣味本として出品されておりました幸田文さんの「きもの」がとてもきれいでしたので、これはセットで読んでくださいと仰るじんた堂さんの推薦の言葉に釣られまして、露伴の孫、文の子である、青木玉さんと、京都の染屋、吉岡幸雄氏との対談本「きもの暮らし(PHP研究所刊)」を併せて購入してまいりました。ちょうど玉子さんの「小石川の家」を読み終えたところでしたので、気分も盛り上がり、読書を進められそうでございます。


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それにしても、文、玉、両氏の本はほんとうにきれいです。次には玉子さんが、母・文が遺した着物を手にし、再び活きた美しい着物となってゆくことを記したそうな「幸田文の箪笥の引き出し」を是非手にしたいと考えているのです。
ところで、じんた堂さんには御土産というにはもったいないほどの品をいただいてしまい、お世話になってしまったのでした。ありがとうございました。


posted by mniijima : May 2, 2008

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comments

Niijimaさん、こんばんは、じんた堂です。
 幸田文「きもの」を気に入って頂きありがとうございます。以前、我が家の母が、テレビドラマを見ていて設定されている季節と主人公の衣装が合っていないことを気にしていましたが、「きもの」を読みますと季節の衣更えが五月一日からは「あわせ」、六月一日からは「単」と変わっていくことが書かれており、そういうことだったのかと納得しました。このような現代では失われた生活の中の季節感が味わえるのも、幸田文の文章の良いところかなと思います。
 ところで、一箱古本市に出品しましたお父さん趣味本(二眼レフの本)とお母さんの趣味本(きもの)にはある繋がりがあるのですが、このあたりの話は別の機会に発表させて頂きます。
 これからもよろしくお願いいたします。
 

by じんた堂 : May 2, 2008 10:05 PM

じんた堂さん、ご丁寧にコメントをお寄せいただきまして、ありがとうございます。
「きもの」はきれいな本であるばかりか、袷や単の衣替えが記されている冒頭からわくわくして早速読み始めました。まったくわたしたちは知らないことばかりで、とても恥ずかしい気がいたします。いまはもう失われてしまった慣わしごとかもしれませんが、この本のように記されたものからハっと気付かされる、教えられることにありがたさを感じます。

ところで、お父さんの趣味本と、お母さんのそれとは、つながりがあったのですね。それはとても興味深いです。そのことが記されることを楽しみにしております。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。

by M.Niijima : May 3, 2008 12:05 AM

ふたたびのお訪ねなのですが・・・

この国の失ってはならぬもの忘れてはならぬものをそっと気づかせてくれる・・・そして脈々と受け継がれている美しさを感じながら・・・つい先日幸田文の『木』を思い出して読み返したところでしたのでコメントを残させていただきたかったのです。
文・玉・そして奈緒・・・と引き継がれている素晴らしさに胸が熱くなったのでした。
同じ思いかしら?と厚かましくごめんなさい。

by chatnoir : May 6, 2008 9:12 AM

chatnoirさん、いつもすみません。
仰るとおり、露伴の家の女性たちが継いできたことを、彼女たちの著作を読むことで垣間見ることのできる仕合せがありますね。
わたくしは未読ですが、文が、めずらしく自然をテーマにして書いた「崩れ」を受けて、奈緒さんが「動くとき、動くもの」を書いていらっしゃる。これはともに読まねばと思っているのです。

by M.Niijima : May 6, 2008 9:18 PM

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