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February 14, 2008
マイ・ファニー・ヴァレンタイン。この高名な曲は、1937年、ブロードウェイ、シューベルトシアターにて初演されたミュージカル「Babes in Arms」内の1曲。もちろんロジャース(曲)、ハート(詩)のコンビによる作品(台本は二人の共作)で、1939年にはジュディ・ガーランド、ミッキー・ルーニー主演の映画版が公開されております。
この名曲は、その美しさ故に、天文学的数字に至るほど歌われ、そして名唱と云われるテイクも、これまた膨大な数にのぼるでしょう。斯様な存在の楽曲ですが、先日、とても新鮮な録音に出会いました。
レビューソング(1)、(2)、(3)にてご紹介いたしました、20世紀を代表するエンターテイナーで、ヴォーカリストのリナ・ホーン。わたくしが「Stormy Weather」という「RCA女性ヴォーカル1000シリーズ」のCDから得ました感動をお伝えしたく、これらの記事としたのですが、そのエントリー(2)にて、今後聴いてみたい彼女のアルバムということで、1976年リリースの「Lena: A New Album(邦題:バラードの夜)」という作品を挙げさせていただきました。
実はそれを記した直後、中古LP屋で、そのアルバムを見つけ即購入したのでした。

既に大御所として、貫禄充分の歌唱10篇が収められましたアルバム。
リナ・ホーン、59歳のときの作品です。
冒頭に記しましたように、アルバムに収録されました「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は、なかなか凝ったオーケストラ・アレンジを伴い、リナの素晴らしい歌唱を聴くことができました。
このアルバム全体的に劇的なアレンジが用意されており、ショー・エンターテイナー、レビュー・シンガーとしてのリナの魅力をよく表したアルバムではないでしょうか。
またガーシュインの「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー」では、ハープを伴奏につけたヴァースからうたい始め、コーラス部ではフィル・ウッズのシブいサックスが寄り添うように、サポート陣の素晴らしさも特筆できるでしょう。
そして、すこし技術的なことになりますが、わたくしが購入した盤は米国製の輸入盤であったのですが、カッティング(マスターテープからディスクへ最初に溝を切る作業)処理が、とても素晴らしいのです。音像を見事に定着させていると云いましょうか、これはなかなかの処理だと思いながらクレジットを見てみますと、なんとボブ・ラドウィグ氏による処理ではないですか。わたくしは、ははん、と合点し、膝を叩いたのでした。(直接の面識はございませんが)氏は、現在も世界中の超一流のアーティストからオーダーされるマスタリング・エンジニアなのです。いやいや見事なディスクです。
最近は、夜毎、酒を嗜みながら、このアルバムを聴いて、そして寝床に着く日を送っております。
ところで、ロジャース、ハートによります「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は、聖ヴァレンタイン(ウァレンティヌス)のことをうたったものではなく、劇中でビリーがヴァル(ヴァレンタイン)に対して、うたう歌なのでございます。ただし恋人たちの守護聖人として信仰されてきたウァレンティヌスと、その殉教の日であるヴァレンタイン・デーに懸けて、(あなたとの日々は)いつの日もヴァレンタイン・デーだわ、と甘い想いをうたうのでございます。
posted by mniijima : Feb 14, 2008
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comments
またもや 素晴らしいエントリーを有り難うございます。
「My Funny Valentine」は そんな風に甘く歌いたい曲なのですが、どうしても 曲想に引きずられてしまいますね〜。
それに、こんな風に音が少ない曲は 伴奏者がどんな音を出してくれるかと言う事も重要なポイントです。
「甘い想いを歌いたい」と言っても その思いを共有するのはとても難しい。
私の数少ないレパートリーの中では 最もその思いを伴奏者に伝えるのが難しい曲だと思われます。
M.Niijimaさんのこれらのエントリーを読んでいますと、勿論書かれているアルバムを聴きたいと思うのですが同時に 私の中に何かとても暖かくて豊かな感じがみなぎってきます。
ちょっと前までは このような文章を読むと あまりの道の遠さに愕然として 歌うことを辞めたくなっていたのにね。
by 光代 : February 15, 2008 7:41 PM
光代さん、
なるほど、こういう曲こそ伴奏者との意思疎通が図れないと、自分が歌いたい方向への舵取りが難しくなるのですね。
リナ・ホーンのテイク、そのアレンジはかなり凝っていますよ。そしてメロを支える要素がほとんどない。まだサラ・ヴォーンが54年にストリングス入りのオケと収録したテイクのほうが、正統的なアレンジで歌をオケが支えています。
なかなか興味深いのです。
そして、かなり勝手気ままに書きなぐっております記事を好意的に受け止めてくださり、とても喜んでおります。わたくしは、素晴らしい表現、パフォーマンスに触れますと、単純なのでしょうか、ようし頑張るぞ、と、負けないようなものを作るぞーと、とても身体が熱くなってくるのです。道のりの険しさは放っておいて、です(^^;
竦んでしまうまえに、熱くなれ、という体質のようでございます。
by M.Niijima : February 16, 2008 2:24 AM
私はジャズをあまりにも知らなくて恥ずかしいのですが、
「My Funny Valentine」なら ダイナ・ショアとプレヴィンのが好みです。
こういうピアノと歌うと きっと今まで知らなかった自分まで引き出されるだろうなと思います。
リナ・ホーンのメロディーを支える要素がほとんどないアレンジ・・・・聞いてみたいですね〜。
そして、M.Niijimaさんの文章を読んでいて伝わるのは M.Niijimaさんの「熱」だったんですね〜。
「ようし頑張るぞ、と、負けないようなものを作るぞーと、とても身体が熱くなってくるのです。」
おお〜〜〜!!
それですね! やっぱり、そんな気持ちがとっても大切ですよね。
ずっと どこか腰が引けていた私ですが、昨年末から 私もまたそんな気持ちになっています。
「やるぞ〜〜〜〜」ってね。
by 光代 : February 16, 2008 7:11 AM
光代さん、
> リナ・ホーンのメロディーを支える要素がほとんどないアレンジ
誤解があるといけないのですが、メロをサポートするようなオケのつくりではなく、あくまで楽曲全体が膨らんでゆくための、広がりを持たせていると云いましょうか、、、ちょっと言葉では難しいです(^^;
> ずっと どこか腰が引けていた私ですが、昨年末から 私もまたそんな気持ちになっています。
> 「やるぞ〜〜〜〜」ってね。
なにかのきっかけがあったとき、結果の良し悪しはおいておいて、取り敢えず、なにか動いてみる、といった行動は良いかもしれませんね。
それを繰り返すうちに、なにか見えてくるのかもしれません。
といったことを、以前から思っているわけではございませんで、こうしてやりとりをさせていただくなか、考える機会も増え、ちょっと思いつくことがあるのです。
いろいろと学ばせていただいております。まったく、ありがたいことです。
by M.Niijima : February 17, 2008 4:43 AM
My Funny Valentine を口ずさみながらお二人の会話を読ませていただきながら走馬灯のように廻るものがあります・・・
by chatnoir : February 17, 2008 5:11 AM
chatnoirさん、
>走馬灯のように廻る
わたくしは、走馬灯、廻り灯篭、そういう情緒がとても好きです。そして、廻る想いのことを、そのように表現するわたしたち日本人のメンタリティもとても愛しております。
ところでchatnoirさが廻らされている想いは、どんなことなのでしょうね。きっときっと素敵なことなのでしょう。
コメントをお寄せくださいまして、ほんとうにありがとうございます。
by M.Niijima : February 17, 2008 9:33 PM