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January 25, 2008
レビューソング(1)、(2)、(3)と3回に跨ってご紹介してまいりましたリナ・ホーン。それらエントリーのきっかけになりました彼女のアルバム「Stormy Weather」は、昨2007年、BMG JAPANが企画しました「RCA女性ヴォーカル1000シリーズ」の中の1枚でした。わたくしはBMG JAPANさんの回し者ではございませんが、それでも米国RCAのアーカイブはさすがであると、驚き、喜んでいるのです。今回のシリーズにも注目盤が目白押しで、かつ1枚あたり1000円という廉価シリーズですので、気軽に購入できるのが、たいへん嬉しいのです。(2007年9月に全20タイトルがリリースされております。)
と云いますのも、シリーズの全て、かつて聴いたことのないアルバムばかりなのです。ところが、数名のヴォーカリストに関しましては、別のアルバムを持っておりますので、まずは、LPやCDで聴いたことのあるヴォーカリストを挙げて少し書いてみることにいたします。
リー・ワイリー(Lee Wiley: 1908-1975)
ご年配のヴォーカル・ファンにはお馴染みかもしれません。

わたくしも「ナイト・イン・マンハッタン(1951/CBS)」という名盤をLPでも、CDでも持っております。おそらく彼女が活躍した1930~50年代でもっとも上手い白人歌手のひとりではないでしょうか。リスナーを温かく包み込むように、精細なヴィブラートと柔らかな声質、もううっとりとしてしまいます。
また「ナイト・イン~」では共演のトランペット奏者、ボビー・ハケットが、ときに寄り添い、ときに対話するかのごとく、またあるときには突き放し、そしてまた寄りを戻す。そんなオブリガードやソロを吹いておりますが、これもなかなかなのです。
今回のシリーズでリリースされました「リー・ワイリー/ウエスト・オブ・ザ・ムーン/BVCJ-38145」は彼女が発表した最後から2枚目のアルバムで、オリジナルは1956年のリリース。予てより好評を博している1枚のようです。
ヘレン・ウォード(Helen Ward: 1913-1998)
(今回のRCAのシリーズではピーナッツ・ハッコー・ウィズ・ヘレン・ウォードとして)
ベニー・グッドマン楽団の専属バンド歌手として採用されたのが1934年、若干18歳のとき。その若き日のLP(もちろんSP盤からの復刻)「グディ・グディ」を持っているのですが、若さに(良い意味で)似合わぬ堂々とした歌唱からは、単にスイング・バンド添え物としての女性歌手以上の実力が感じられます。
タイトル曲「グディ・グディ」のようなアップテンポの曲では軽快にスイングしていますし、キーを低めにとりました「These foolish things remind me of you」もよく歌えています。ピアノ、ドラム、グッドマンのクラというトリオをバックに歌う「Too good be true」というミディアム・ナンバーも爽やかに、そして上手い。

ところで、このわたくしが持っている「グディ・グディ」には上の画像で若干判りづらいかと思いますが、追悼盤の帯がかかっております。このLPは1982年に国内でリリースされたものですが、このエントリーを記すために当たりました海外の資料(wiki, jazzhouse.org)では1998年没となっております。どういうことでしょう?
ベニー・グッドマンは彼女に惚れていたそうですが、彼女はグッドマン楽団を辞めてしまいます。そして投資家と結婚。その後はときおり歌の仕事をする程度だったそうです。今回、RCAのシリーズでリリースされました「ピーナッツ・ハッコー・ウィズ・ヘレン・ウォード/ウィズ・ア・リトル・ビット・オブ・スイング」のオリジナル盤が1958年リリースですから、そのころの作品ですね。ピーナッツ・ハッコーもクラリネット奏者ですから、彼女はよくよくクラという楽器に縁があるようです。
その後一時引退、81年には「The Helen Ward Song Book Vol.1」というアルバムを突然発表してジャズ・ヴォーカル・ファンを驚かせたようですが、その復帰アルバムはまったく良い評価を得ておりません。
斯様なバイオグラフィーを見てみますと、歌手としての彼女はやはりグッドマン時代に絶頂があったのではなかろうか、と思えてなりません。
「ピーナッツ・ハッコー・ウィズ・ヘレン・ウォード/ウィズ・ア・リトル・ビット・オブ・スイング/BVCJ-38150」ではどれだけ歌えているのでしょうね? 不明な分だけに、少々買いづらい1枚です。
(続く)
posted by mniijima : Jan 25, 2008
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