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December 5, 2007

  いま、そこに咲く花(13)

かつての江戸城、そのもっとも外側を囲んだ堀を外濠(そとぼり)と呼んでおります。現在そのほとんどが埋められてしまいましたが、濠の北東部を担っておりました神田川を除く部分では、JR四谷から飯田橋にかけまして、市ヶ谷濠、新見附濠、そして牛込濠が、そして赤坂見附近く、ホテル・ニュー・オータニの裏にもわずか、残っております。
わたくしは平日の毎朝、そのうちの新見附濠と牛込濠を見ながら通勤しているのですが、此処では濠に沿って花吹雪を舞うそめいよしのの花弁が水面の縁を埋め尽くす春や、流れのない濠ならでは藻の繁殖によって木々の葉々より濃い常盤緑に水面を染める盛夏などなど、都心にありながらささやかな四季の情趣を楽しむことができるのであります。

今週、この濠沿いに並ぶあまたのそめいよしのの葉が、ようやっと紅緋に染まってまいりました。濠の辺や、歩道に舞い落ちた葉のなかには猩々の緋にまで、その色を深めたものもございました。
桜花爛漫のころ、ほとんど白に近い薄桜色の花弁を咲き誇ったこれらの木々が、老翁無双の名人が締める調べの緒のごとく、最後の情念を燃やすかのような色を見ることで、わたくしは晩秋から初冬への季節のうつりを感じ入るのです。

posted by mniijima : Dec 5, 2007

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comments

 M.Niijimaさん、こんばんわ。しばらくです。
 ブログゆっくり読ませて頂きました。
 御茶ノ水駅から見える神田川は、都会のど真ん中に渓谷のようになってるのが珍しくいつも眺めてたのですが、昔の人が人力で造ったものだったのですね。人工であるにもかかわらず、世田谷区にある等々力渓谷とともに都会の中にしては不思議な地形ですね。
 水面から見上げた聖橋は、中々見れない眺めですね。ライトアップが公開された当時、御茶ノ水橋から三脚を立てて撮ってら通りすがりのおじさんから水面に写ったものと合わせてアーチをワッカのように撮ってみたらと声をかけて頂きましたよ。
 

by いしい きみたか : December 6, 2007 4:59 AM

いしいさん、ご無沙汰しております。当ブログは冗長なエントリーも多くございますが、お付き合いくださり、嬉しい限りです。
いしいさんの新作も拝見しているのですが、一言残すでもなく失礼しております。
さて、お茶の水渓谷ですが、此処に限らず、地形の起伏と、其処の歴史をみてみますと、たいへん興味深いものがあります。わたくしは今横浜市に在住しておりますが、現在の横浜駅周辺、そして伊勢崎町を中心とした山手と野毛山に囲まれた低地一帯は全て海であったこと、そしてお三の宮伝説(検索すれば伝説の概要はわかると思います)が生まれてきたりと、資料をあたりましては面白がっております。
よく2連の石橋を水面と併せて、眼鏡橋と称しますが、聖橋の場合は、巨大な単レンズ橋になりますね。

夜間の撮影にはよい季節になってきましたが、どうぞお体も大切になさってください。

by M.Niijima : December 6, 2007 10:55 AM

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