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August 31, 2007

  水上学校の昭和史

月島での散策で、かつての水上生活者のことに興味を持ちまして参考になるような図書がないか、探しましたところ隅田川文庫というところで「水上学校の昭和史-船で暮らす子どもたち(石井昭示著/隅田川文庫)」という四六判ソフトカバーの書籍が刊行されておりました。検索をしてみますと勤務地区内の(中央扱い)図書館に蔵書されておりましたので、最寄館より取り寄せていただき、昨日お借りしてきました。

早速読み始めてみますと、水上学校に通った子どもたちの作文を紹介しつつ、そこから見出せる彼らの生活を、社会状況を含めて解説してゆく、とても丁寧に書かれた本であるようです。
子どもたちの作文は、もちろんこの本を書き進めてゆくために数多くのなかから選択されたほんのわずかな文章であり、編集過程を経て出来上がった本であることを解っていながらも、なおかつ胸が熱くなってくるものがございました。そこには水の怖さと、自然の美しさと、そして家族の絆の素晴らしさがあり、船内の不衛生と、若年から仕事を手伝わなければならぬ環境があり、斯様な生きた人々の生活そのものが謳歌されていたからです。

水上学校は、増えつつあった水上生活者の子どもたちに就学させる機会を与えるべく、全寮制として1930(昭和5)年に現中央区勝どき1-11に開校、戦中の1943(昭和18)年、深川(現江東区塩浜1-3)に分校を開きましたが、陸運の台頭、世情の変化に伴い、1966(昭和41)年3月に歴史的使命を終え廃校となりました。
現在は河川法により、河川を、排他的独占的に使用してはならない、とありますので居住空間として利用することができません。既に水上生活者が居なくなって久しく、そして水上学校もなき今日、この「水上学校の昭和史」を1ページ1ページ捲ってゆきますと、往時の面影をとくに強く残すと云われております月島川と、朝潮運河に、心惹かれる思いが強まるのでした。

posted by mniijima : Aug 31, 2007

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comments

niijimaさん、こんばんわ。
東京新聞2007年7月22日朝刊・TOKYO発「東京慕情」(昭和30年代の風景)は「水上小学校」でした。この「水上学校の昭和史」から児童が書いた作文が紹介されてました。水上生活の禁止は東京五輪が契機になったようです。大阪世界陸上の前に、ホームレス支援のNPO代表が不当逮捕されたとも聞いてます。2016年五輪を東京都に招致する構想も、それを契機に東京から何かが排除されるとしたら考えものですね。

by iGa : September 3, 2007 1:50 AM

iGaさん、こんばんは。
コメントをお寄せいただきまして、ありがとうございます。

東京新聞はなかなか興味深い連載をされているようですね。以前購読していたのですが、家内の「折り込み広告が少ない」という主婦的発想の下、変更を余儀なくされました(涙)

それはさておき、昭和30年代に入りますと、水上生活者の半数近くが陸にあがっていったそうですが、その締めくくりとして五輪は大きな契機となっているようですね。
港湾労働等対策審議会によって(当時池田)首相に答申された「船内居住禁止」。その新河川法が五輪年に施行され、10月の開催を前にして水上生活者は姿を消したと「水上学校の昭和史」にも言及されておりました。
世界陸上の例も併せて、うわべを取り繕う、見栄を張る、臭いものには蓋、そういった体質が現れているようで、薄ら寒くなりますね。

by M.Niijima : September 3, 2007 4:18 AM

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