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February 5, 2007

  柳橋日記(その2)

既に暦は如月に入り神田川の船宿を訪れるものは少ないのでしょう、3日土曜の河岸は閑散として、ただ柳が風に揺れるばかり。
両岸を高いビルに囲まれた川に日が差し込む時間はこの時期たいへん短く、柳橋から一本上流の浅草橋上を走る江戸通りの広い道幅を利用して冬の午後の陽射しは、ほんのわずか橋袂から船宿1軒分東に光を注いでいるのみ。そこでその宿に係留させられた小さな舟のみを撮り、河岸を離れ、町内を散策することにしました。

JRが浅草橋駅から大川を渡る橋の間の高架を抜け北に歩いていますと、風情のある屋根が見えてまいりました。気になって近くに寄ってみますと、なにやら立て看板が道に出ておりまして、その旧態を保持したとても素敵な家がギャラリーになっていることを知りました。ところが表から見るに佇まいがどうしても私的な空間であることを主張しており、一歩入るのにたいへん躊躇させられるのですが、それでも「ご自由におはいりください」とも書かれ、丁度中では展示が行われているようでしたのでお邪魔してみることに致しました。

ごめんくださいと声をかけ、返事はございませんでしたが靴を脱ぎ興味津々でぐるりと頭を回せば、なんと素敵なところでしょう。勝手に奥へ進んで行くと、廊下のシェルフに焼き物が飾られていたり、途中の部屋に作品が置かれてあったりと、ワクワクさせます。木工展として作家の指物が中心の個展でありましたけれど、一番奥の居間には木皿や器、匙などの小物も展示販売されておりました。作品に触れてはいけないと、わたくしはごつい三脚を両の腕で抱えるようにして見ておりましたところ、このギャラリーのオーナーと思わしい女性が、どうぞ遠慮なく荷物を置いてご覧くださいとお声をかけてくださいました。とはいえ重いスチールの、そしてパン棒が張り出した汚い三脚を此処のきれいな床にごつんと置くのも憚れましたので、そのままの恰好でふらふらとしていますと、先の女性がお茶を用意してくださったのに恐縮し「ふと通りがかったところ、看板が目に入り、ここにこのようなギャラリーがあるとは存じませんでしたので、勝手に上がらせていただきました」と説明すれば「普段は閉めていることもありますからお気づきになりにくいかも知れません」と。また「こちらはレンタルもされておりますか?」と不躾にも質問したところ、積極的にはやっておりませんと、ただし時期的なものもございますが、こちらで作品を拝見させていただいた上でのご相談と相成りますとのこと。

可能性はなくはないようです。

柳橋の写真を根気良く撮り溜めることができれば、このようなところで作品展をしてみるのも乙なものではないだろうかと想いを馳せながら、薄暗く電灯のあかい光が優しい廊下を抜けて辞してまいりました。

(メモ:2月3日、午後4時ごろ、Super Presto 1600 @EI 640)

posted by mniijima : Feb 5, 2007

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comments

なんて素敵なエッセイでしょう!
写真見たいです。ええ、もちろん風情のあるギャラリーで。

by wr7259 : February 5, 2007 11:54 PM

wrさん、いつもありがとうございます。
ホント雰囲気のよいところでした。

by M.Niijima : February 6, 2007 1:34 PM

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