震災の事、被災地の事を『想おうよ』『忘れないでいようよ』と呼びかける展覧会「いきる 命はすてき」展が26日、無事終了いたしました。ご来廊いただきました多くの方々に深く感謝申し上げます。
今回、わたくしは音作品を出品ということで下のような設備を持ち込み、作品を鳴らしました。

ドラム隊を中心とした反原発デモから聴こえる音を、3.11以降に現出し、日常化した新たな音風景として捉え、収録をしてきました幾度かの音源を再構成し、展覧会という場所で聴き易い時間尺にまとめたものが、今回の出品作でした。
この音源をSoundCloudにアップロードしましたので、是非展覧会に来れなかった方々にも聴いていただきたいと思います。
No Nukes Demo After 311 remix ver-1-1
また、このクリスマス期の展示ということでサプライズ音源も用意し、それはときどき再生されるように仕掛けましたので、お越しいただいた方々でも、不公平にも聴くことができた方、できなかった方がいらっしゃいます。このクリスマス・ミックスもお楽しみください。
No Nukes Demo After 311 remix ver-1-2 X'mas mix
※それぞれのミニプレーヤーの右側にある「下向きの矢印」をクリックしますと、音源をダウンロードできます(mp3, 256kbpsのファイルです)。
此処で紹介させていただきました全ての音源ファイルは商用利用以外の全てにおいてご自由にお使いいただけます。
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【関連エントリー】
aki's STOCKTAKING:「『いきる 命はすてき』最終日」
MyPlace:「『いきる 命はすてき』展に行った」
う・らくん家:「写真の力」
Kai-Wai散策:「『いきる 命はすてき』展 (初日)」、「銀座 悠玄ビル」、「『いきる 命はすてき』展 (最終日)」
拙ブログ:「「3.11以降に現出した音風景 remix」前口上」、「「生きる 命はすてき」展のサウンドスケープ」
開催中の「生きる 命はすてき」展が行なわれているギャラリー悠玄への道すがら、そして会場の様子(少しだけ)の音風景を録ってみました。
「生きる 命はすてき」展のサウンドスケープ (mp3, 256kbps)
※コンテンツのセキュリティ上、フラッシュによる再生プレーヤーを採用しております。一部スマートフォンからは再生できない(プレーヤーが表示されない)場合がございますので、PCのブラウザにてアクセス、再生してくださいませ。
「3.11以降に現出した音風景 remix」
サウンドスケープ soundscape という言葉、考え方がございます。本来は20世紀現代音楽と環境音の関係を表したのですが(※)、昨今では「風景には音が欠かせない」と、より広い意味を持ってまいりました。その広範化した意味を、更にわたくしは掘り下げ、街を行き交う音はその時代の風俗文化を表していると考えております。
さて、みなさんにも想像していただきたいのです。
わたしたちの身の回りに溢れる音が如何なるものであるのかを。
電器製品から発せられるICチップに組み込まれた音、隣でけたたましく鳴り始める携帯機器の音。一向に前へ進まぬ車列のエンジン、商店街で防犯を呼び掛ける無機質な声のアナウンス、店舗にはそれぞれのBGMがあって、ぎゅう詰めの電車の発車合図まで音楽になっています。
かつての街、例えばわたくしが幼少期を過ごした昭和40年代前半の渋谷でさえも、金魚売りの声や、溢れるばかりの商品が荷台から沢山の音を出しても柔らかな心地よさを失わなかった風鈴屋のリアカー、夕刻のある時刻を知ることができた豆腐屋の喇叭の音、、、等々が聴こえてきました。
ところが、駅の改札で小気味よいリズムを奏でていた切符をパンチする音はICカードに反応する電子音にとって替わり、八百屋や魚屋のオヤジのダミ声が商店街から消え、巨大な集合マーケットからお魚賞賛の歌が流れる。善かれ悪かれこれらが平成の世の音でありましょう。
そして私たちは、あの日を迎えました。
震災後の一週間、東京都心でさえ、殊に夜は、灯りもなく、行き交う人々の姿もまばらな静寂が街を覆っていました。
その間に福島では、ご存知のように原子力発電所の炉心がメルトダウンし、水素爆発を起こし、巨大量の放射性物質を地上に、海に、撒き散らしてしまいました。
この人災を経て街の音にも変化が現れました。度重なる反原発デモの登場です。無論、反原発を訴えるデモは以前からございましたけれど、ツイッターなどを介して集まる(新聞用語で)アマチュア市民によるデモのなかに、それは現れたのです。
この3.11以降の反原発デモで殊更に目立つものは、コール&レスポンスによるシュプレッヒを中心に据えたデモのやりかた(も行なわれていますが)それにとって替わる、マーチング・バンドのようでいて、そうではないような、ドラム隊の登場です。
数多のスネア・ドラム、サンバの低音を支えるスルド、ホイッスル、そして数えきれない小型パーカッション類や、管楽器のトランペットが発する音のうねりは、いままで聴いたことがない音の風景を街に与しました。そしてなにより、かつてはサイエンス・フィクションの世界だけの出来事であった放射性物質に汚染されたこの国土での生活が、わたしたちの日常となってしまったのと同じく、毎週のごとく行なわれるようになった反原発デモの光景もこれまた日常と化した時代が始まったのです。
そしてその光景のなかに在るこの音こそ、3.11以降に現出した、日常に存在し、いまの風俗文化を象徴する、音風景、サウンドスケープであると確信し、幾度もデモの現場へ行き、デモ隊の皆と一緒に歩きながら、その音を収録してきました。そしてそれら魅力的な音を、再構築し、聴き易い時間にまとめたのがこの作品
「3.11以降に現出した音風景 remix」なのでございます。
3.11後の最初の12月に
新島 誠
※ サウンドスケープ【「音の風景」。1960年代に、カナダの作曲家マリー・シェーファーが使いはじめた言葉で、当初、音環境全体を作品として捉えるために作られた表現であった。20世紀の芸術活動は、環境音と楽音という二項対立を解消し、あらゆる音響が音楽の対象となる可能性をもたらした。このような音楽思想状況のなかで作曲家となったシェーファーは、非楽音とされてきた環境音に注目する。日常音に対する無関心こそ、現代の騒音問題の要因であるとするシェーファーは、70年代前半に、世界サウンドスケープ・プロジェクトを組織し、風景(ランドスケープ)と音環境の関係を調査した。サウンドスケープにおいては音は「個人あるいは社会によってどのように知覚され理解されるかに強調点がおかれる」。このようなシェーファーの概念は、二つの広がりをもった方向性、すなわち現代音楽としての側面から、もう一方は環境の思想という側面から受容されている。なお、シェーファーのこの議論の詳細に関しては、主著『世界の調律』を参照のこと。】
DNP(web版)現代美術用語辞典・この項は川那聡美氏筆 より
【お知らせ】
来るクリスマス前後の三日間(12月24日から26日)、銀座ギャラリー悠玄にて開催されます、3.11の震災をテーマにしたグループ展「いきる 命はすてき」展に拙作を出品いたします。
作品はサウンドスケープ(音風景)による音作品 「3.11以降に現出した音風景 remix」です。クリスマス時期の銀座にお出かけの御用がございましたら、是非お立寄りくださいませ。
わたしは24日のオープニング直後までと、26日に在廊予定です。
詳細は下記画像をクリック、展覧会のウェブサイトにてご確認いただけます。

■開催日時:2011年12月24日(土)~26日(月)
日にちによって、開廊時間が異なります。
・24日15時~19時
・25日11時~19時
・26日11時~17時
■開催場所:銀座ギャラリー悠玄(全館)
東京都中央区銀座6-3-17悠玄ビル
TEL:03-3572-2526
■入場無料
■24日(土)17:30~ と、25日(日)18:00~ より、パフォーマンスが行なわれますが、その時間帯は、わたしの音作品を鑑賞いただけないと思いますので、どうかご注意くださいませ。
もちろん、他の方々の作品もたいそう素敵なものでしょうから30名を超える作家による3フロア借り切りの展示をお楽しみくださいませ。
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【12月22日追記】
この展覧会には、(このブログを)ご覧いただいている皆様には共通の友人も多く、お馴染みでございますmasaさんも反原発デモで撮られた写真を出品なさいます。
この展覧会のタイトルが「いきる 命はすてき」となりました経緯と、それを示す写真も掲載されていますKai-Wai散策のエントリー「『いきる 命はすてき』展」も是非ご参照くださいませ。
YouTubeにアップされた音が(映像は静止画)11月16日以来(本日まで)23万を超えるアクセスを数え、いまもまだ噂が噂を呼んでいる、今年リリースされたもっとも重要な楽曲のひとつ、FRYING DUTCHMANの「human ERROR」。
12月3日の「NO NUKES! ALL ST☆R DEMO 2」。そのデモ行進の前後に代々木公園野外音楽堂で行なわれたトークとライブのイベントにて、そのライブのトリを務めた彼らの演奏を、もちろん「human ERROR」を、ここにご紹介いたします。
(デモとイベントの様子は、masaさんの素晴らしい写真でご覧ください。→
「Kai-Wai散策:NO NUKES ! ALL ST☆R DEMO 2」)
なおこの音源公開の件、FRYING DUTCHMANサイドに快く受諾していただきましたこと、心より御礼申し上げます。満を持してのアップロードです。
下のプレーヤー左端の三角ボタンを押して再生してください。是非爆音で。
human ERROR / FRYING DUTCHMAN
at NO NUKES! ALL ST☆R DEMO 2 on Dec 3rd, 2011. (mp3, 256kbps)
※コンテンツのセキュリティ上、フラッシュによる再生プレーヤーを採用しております。一部スマートフォンからは再生できない(プレーヤーが表示されない)場合がございますので、PCのブラウザにてアクセス、再生してくださいませ。
この音は会場客席にて収録していたのですが、家に持ち帰えり丹精籠めてマスタリングいたしましたよ。惜しむらくはPAのスピーカーから出ていたヴォーカル・マイクの音が歪んでいたこと。然し、このパフォーマンスにおいては、それもまた爆発的説得力の倍加につながっていると思えます。
そして何より会場を埋めた最高のオーディエンス!
いかがだったでしょうか。これを聴いて、なにかを感じていただけたならば、是非、彼らのCDをお求めください。→amazon
またGIGの予定などは彼らのオフィシャル・サイトにてご確認下さい。
FRYING DUTCHMAN Official Site
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【12月10日追記】
●この日の出演者で、マリ共和国から90年代より日本で活動をされている、KORA奏者、ママドゥ・ドゥンビア (Mamadou Doumbia) さんの演奏、その音がmasaさんのサイトで聴けるようになりました。アフリカの王様を癒した音、目を瞑り考えるための音、美しいKORAの響きをお聴きください。
「Kai-Wai散策:NO NUKES ! ALL ST☆R DEMO 2」
●映像ディレクター・秋山理央さんが、このFRYING DUTCHMANのライブを高画質動画で、YouTubeにアップされました。彼らのパフォーマンスを是非ご覧ください。
「FRYING DUTCHMAN / humanERROR(Live at 代々木公園 2011/12/3) via YouTube」
なおYouTubeの秋山さんのチャンネルでは、この日の他のイベント、デモ本編、(そして加えれば夥しい数の過去のデモ)の様子を高画質動画で識ることができます。
笑い、そして泣く、日々を暮らしてゆくなかで、わたしたちが自然に発する感情を如何に抑えることができましょうか。然し乍ら、怒るという感情は社会生活のなかで、殊にこの日本の社会のなかでは、なかなか表しにくいものではないでしょうか。
故にわたしたちはそれに代わる方法を試みたりするわけです。
ところで然し、その怒りもまたわたしたちに備わった自然に発せられる感情である以上、どこかで「ざけんじゃあねえ、ばっかやろう!」と叫びたい衝動を持ち、社会生活との狭間で煩悶することになります。そこにもし同じ事項に対し「ざけんじゃあねえ、ばっかやろう!」と叫ぶ者が現れたとしたら、どれほど勇気を得られるでしょうか。
怒りを抱えているのであれば人に任せるのではなく自分から発しろと、言うのは容易く、実際はなかなかできることではありません。そしてそれが社会的な怒りであった場合、現れた「ざけんじゃあねえ、ばっかやろう!」と叫ぶ者は、その事柄に対し怒りを感じた全ての者の代弁者であるのです。
もちろん隣で「ざけんじゃあねえ、ばっかやろう!」と叫ばれたら、そのことに怯えてしまう人もあろうと思いますし、その怯えもまた自然な感情の表れであり、斯様な人を等閑に付することをしてはならないと思いますが、それでもやはり同じ怒りを抱えているのであれば、代弁者の爆発的な叫びを、少しでも理解することは可能ではないでしょうか。
代弁者の登場は大きな熱狂を伴って共感され、その声は拡散されるでしょう。
アジテーションはときに不幸な行き先へ向かうこともあるという可能性を認識しつつも、3.11以後を生きるわたしたちにどうしてその熱狂的共感を止められるでしょうか。
遅ればせながら、先週の土曜、11月26日に行なわれました2回目の「怒りのドラムデモ」のサウンドをご紹介いたします。
反原発デモ 11.26(怒りのドラム デモ)
75分におよんだドラム・デモ行進(のサウンド)を約20分に短縮編集したヴァージョン
■mp3 音源 ダウンロード(21分21秒、39.3メガ)
圧縮音源ファイル(mp3形式 256kbps)
■wav 音源 ダウンロード(21分21秒、215.5メガ)
非圧縮音源ファイル(wav形式 44.1kHz, 16bit = CDクオリティ)
こちらはデータ容量がかなり大きいのでご注意ください。
(■以降、青文字部分を、windowsは右クリック〜対象をファイルに保存、または、名前をつけて保存でダウンロード開始。Macは option key + クリックでダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルは、Windows Media Playerや、iTunes、その他音楽再生ソフトにてご試聴ください。)
今すぐストリーミング試聴されたい方は、下の画像真ん中の再生ボタンをクリック。
(内容は上記でダウンロードできる音源=mp3 と同一です。)
反原発デモのサウンド、ストリーミング再生用に、いままではSoundCloud(の私のアカウント)にアップしておりましたが、今回からはMixcloud(名前が似ていて困惑御免です)のほうにアップしています。
(cover photo by masa.)
もし、このストリーミング音源をあなたのブログその他でシェアしていただくという場合は、音源をアップしているページ( No nukes demonstration Tokyo Nov 26, 2011 edited short ver. ) のプレーヤーのすぐ下「Embed」というボタンを押し、貼付けるサイズを指定し(デフォルトでは上に貼ったように 480x480pixel)、ソース・コードをコピーしてください。
※此処で紹介させていただきました全ての音源ファイルは商用利用以外の全てにおいてご自由にお使いいただけます。
・このページへのリンク歓迎 http://across.mniijima.com/2011/12/post_407.html
・またお手元にダウンロードされた音源の再配布もOKです!
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【リンク】
・Kai-Wai 散策「怒りのドラムデモ 11.26」
【拙ブログ関連エントリー】
・「311以降の東京に現出した音風景」
・「登ったり下りたりの行進。」
上記未聴の方は、是非併せてお聴きください。