発売を控えて一番最初に行なうマスタリング(或いはカッティング)作業時、少なくともその作品のプロデューサーは立ち会っているでしょう。アーティストが立ち会うようになったのはいつごろからでしょうか? アーティストがレコード制作において現在のような立場になるのは、恐らくはロックやSSW(Singer Song Writer)が台頭してきてからのような気がいたします。よって60年代後半、もしくは70年代になってからかもしれません。しかし、いずれにしろ制作に関わった人間がきちんとジャッジメントしているということは重要です。制作意図に沿わない処理にはNGをだしていたことでしょう。
もちろん現在でも(初出時の)マスタリング作業にはプロデューサー、アーティスト立会いのもと行なわれます。其処にはユーザーに「こう聴いていただきたい」という意思が込められているのです。
continue reading "リマスタリングの功罪(4)"
マスタリング作業を済ませた音源は、複製プレスされる工場へ運ばれ、いくつかの工程を経てCDに大量複製されます。
ところで昨今、リマスターとか、リマスタリングといった(処理が行なわれた)盤が市場で販売されているのは周知の通りでございます。
これらは既に一度CDとして発売するためのマスタリング作業を済ませているタイトルを「理由があって」再度マスタリングをしなおし(故にRe-Mastering)、再発売されている商品のことを指しております。
その「理由」とは、多くの場合、これらの商品はCD初期に一度マスタリングをされて商品化されていましたが、その後のデジタル機器の進化を経て、より物理特性のよい条件でマスタリングをしなおし、ユーザーに喜んでいただきたいという願いがあって(再商品化が)行われているのでしょう。
continue reading "リマスタリングの功罪(3)"
大昔の音楽録音では、大きなラッパ状のもの=集音器の前で歌手も伴奏者も演奏をして、集音された音=振動がそのままレコード原盤の溝を切っていたのだそうです。(ベルリナーによる円盤レコードは1887年に発明されました。)これをアコースティック録音と呼んでいます。
それが電気吹き込みと呼ばれる時代になり集音器はマイクロフォンにとって替わり、また直接原盤を切るのではなく、いったん磁気テープに録音(1940年代ごろから)をしておいてから、後に原盤を切る作業(カッティング)を経てゆくことになります。ポリ塩化ビニルを用いたLP、EP盤はこのころに登場してきます。
continue reading "リマスタリングの功罪(2)"
CD(Compact Disc)という音楽メディアが世に出回り始めた頃の商品には従来のアナログ・レコードと比べて如何にCDが優秀なメディアであるかを説明したページがブックレットのなかにございました。
それによりますとCDはアナログ・レコードに比べてダイナミックレンジ(小さな音と、大きな音の幅)が広く、ノイズも少ないということが大きな利点として挙げられておりました。
continue reading "リマスタリングの功罪(1)"
アコーディオンは船乗りたちによって世界中に広められたと彼女はお話しされておりましたが、それでは何故アコーディオンが船に乗っていったのかと疑問に思ったのです。狭い船内に持ち込みやすい小型の楽器といえばギターなどが思い浮かぶものですからね。ところが彼女が弾くアコーディオンの音を聴いているうちに、オルガン?って、ふと思ったのでした。
京島のLOVEGARDENにて、またまた素敵なフライトがあるとのことで1月30日に行ってまいりました。今回はアコーディオン・ソロ、岩城里江子さんのライブでした。
岩城さんが弾かれる楽曲を聴きながら、わたくしは時折アイルランド、クロンマクノイズの初代ケルト統一王になったり、ハワイイのさとうきび畑で収穫をする農夫になったり、メコン川をくだる船頭になったり、はたまたシシリー島では映写技師になってみたりと世界中を駆け巡ったのでした。
ところでアコーディオンという楽器はそのからだに不似合いなほど大きな音もでてきます。それで和音がなると、ぶわっと会場が音で満ちてしまう。またとてもとても繊細な音量で、みんなの意識を惹き付けながら、ふわっと耳を包み込んでくれるのです。これは楽器がもつ性格でもありながら、それを表現のなかにしっかりと自分の音として具現化させる岩城さんのプレイに依るところが大きかったのだと思います。そんなアコーディオンの音を聴いていましたらオルガンの音色と表現の幅を思い出したのでした。
もしかしたらヨーロッパの船乗りたちは、長旅の船上でも教会のスケジュールを執り行っていたのではないか、そのためにオルガンを持ち運ぶことはできないのでアコーディオンで代わりを行なったのではないか、、、そんなことを考えたのですよ。そもそもアコーディオンとオルガンは同じ仲間の楽器(発音原理)なのですからね。音色も似ていて当然なのです。
ということで、そんなことはなかったのだろうかと帰宅後にネットを巡ってみましたら、やっとバンドネオンを紹介したwikiのページに「野外での教会の儀式で、パイプオルガンの代用に使われたということである。」とあったのでした。野外かぁ、それが船上であってもいいかもしれない、、、と一人勝手に納得させたのでした。
関連エントリー
●LOVEGARDEN: Rieko Iwaki ノスタルジー♬
●らくん家: ブルームーンの夜@ラブガーデン
●漂泊のブロガー2: アコーディオンソロ@京島
●東京クリップ: ブルームーン@京島
●af_blog: 時間
●MyPlace: 岩城里江子 Live in Love Garden
企画の決定から実施まで猛スピードで進んでいった感がございます。事の緊急性を考えると、それは正しいことであったでしょう。そしてそのために恐らくは数百人のスタッフが何日も寝ずに準備を進めたのではないか、そんな彼らの努力に対しても大きな拍手を贈らなければならないと思ったのでした。
ハイチの地震から一週間を経て発表された「Hope for Haiti now」の企画、そしてその4日後(地震発生から10日後)の開催と、音源のリリース。
こんなチャリティ・ショーはいままでなかったことではないかしら?
弊宅ではCS放送など観ることができないのですが、放送の翌日から予想通りYouTubeにはどんどん番組がアップロードされ、ほぼ内容を把握することができました。Stevie WonderやBruce Springsteen、Neil Youngといった超ベテランから、U2のメンバー、Sting、Madonnaなどの80年代組、そして00年代のキラ星たち。このクラスのアーティストのプレイはほんとうに安心して観、聴きすることができます。
そのライブ音源が、放送後、直ちにiTunes Storeにアップされて購入可能になるとは(当初は米国内にアカウントを持つユーザーだけが購入可能だったはずですが、日本国内のアカウントで購入できるようになったのはいつからでしょう? 今日iTunesからの配信メールで知ったのでした。)正しくデジタル時代のチャリティ・ショーではなかったでしょうか。早速ポチっとしてしまいましたよ。
通常リリースをS社と契約しているアーティストたち(Alicia Keys、Beyonce、Christina Aguilera、Bruce Springsteen、、、けっこう参加している、、、)の音源も揃ってアップされているのが有難いです。
個人的にはColdplayのイカした曲(書き下ろし?)、Shakiraの変幻自在な声色、Madonnaが89年にリリースした懐かしいLike A Prayer、そしてThe Edgeのギターの格好よさに魅せられ、AguileraとBeyonceはともに薄いオケで歌いましたが両者のパワーには圧倒させられ、さらにはStevie Wonderによる(「明日に架ける橋」に入る前の)Time To Loveの深い深い歌唱には麻痺させられました。
(関連エントリー)
● MADCONNECTION: Hope for Haiti Now
● MY Favorite Things: 今だって,何かができるはず
(画像クリックでiTunes Storeへ / 上記画像コピーライトはiTunes K.K)
旧東独逸の国営レコード会社でありました、ドイツ・シャルプラッテン(が為した仕事)の素晴らしさを認識したのは英EMIから発売されたリヒャルト・シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」、ルドルフ・ケンペ指揮のLPを数年前に入手したときです。
これはシュターツカペレ・ドレスデン(国立歌劇場管弦楽団、当時)と、そのドレスデンの名歌手たちをたっぷりと起用し、プリマドンナに西側から絶世の美声を誇ったグンドラ・ヤノヴィッツを招聘し録音された、発売当時から(CDでも発売されていますが)超有名な盤でした。ところがわたくしは斯様な誉れ高い名盤ではありますが、発売元が英EMIということで、録音の質はあまり期待しておりませんでした。
