May 5, 2013
  楽聖は最後に神の前に跪いたのか

洗濯物がぐんぐん乾きそうな陽気だったので早々に掃除と洗濯を終え録画し放しであったテレビ番組を観た子供の日の午前。昨大晦日にOAされたサー・ロジャー・ノリントンとN響による第9。生を聴きにいった人たちの反応がよかったので録画しておいたのですが、4ヶ月経ってようやく観れました。

いまどきピリオド・アプローチなベートーヴェンなどいくらでも聴くことはできますが(個人的にはガーディナーとインマゼールの全集を持っています。ノリントン卿は同じベトでもPfコンの全集がおもしろかったです。)、2012年の終わりにノリントン卿はいったい如何なるアプローチを聴かせてくれたのでしょうか。


特筆すべきはスケルツォ楽章と終楽章であったかもしれません。
この重いテンポの2楽章は踊れるスケルツォではないかしら! いやスケルツォは旧来のメヌエットに取って代わりハイドンやベトらが多用し始めた「あくまで舞曲然」とした楽章ですから踊れなくてもよいのかもしれません。然し乍らノリントン卿のこと、19世紀始め頃のスケルツォはこのような鈍重なテンポを持っていたのかもしれません。

終楽章。やはり酒場の歌(歓喜の主題)を歌った後の後半部分は中世以来の伝統を引用した教会音楽であることを示唆するに充分な説得力を持っていたように思えます。例えば「抱擁」の主題(Seid umschlungen, Millionen!)男声により提示される主題に斉奏されるトロンボーンのバランス。このベネチア楽派以来世に現れ世俗の楽器とは一線を画してきた神の楽器の末裔の重要性。歓喜と抱擁の2重フーガはサン・マルコ寺院に響いたまさにガブリエーリ叔父甥、そしてモンテベルティの生き写しであることの具体的な証しでありましょう。
交響曲というその後の表題楽とも違い人間性が介在しない響きだけによる壮麗な建築物のような音楽を築いてきた作曲家は最後の最後に人間歓喜を叫んでなお神の前に跪いたのではないでしょうか。

January 12, 2013
  体罰教師が鞭打つことを超えて教えてくれたこと

教師による体罰が報じられていますので、以前より書こう書こうと思っていたことを記します。
わたしが小学3年のときのクラスは今で言う「学級崩壊」でありました。新任女性教師の注意など聞く耳を持たず、授業中の私語に留まらず、勝手に教室を抜けたり、玩具の持ち込み使用など日常茶飯事。また一部のクラスメートに対するいじめも恒常的にあり、それはもう酷いものでした。
3年から4年への進級の際、わたしたちの学校では通常クラス替えは行なわず、担任教師もそのまま引き継ぐ決まりになっていましたが、上記のような事態を経て担任だけ交代となりました。校内でもっとも厳しいと言われていたK先生に。

4年になった当初はその恐ろしいK先生の存在にわたしたちは震え上がり、以前のように授業が滞ることやいじめは一切なくなりました。
なにせK先生は叱るときに(黒板に書かれたもの等を指す)指示棒(というのか?)で叩くのです。まるで鞭打ちです。
叩かれた腕は当然ミミズ腫れとなります。ヒリヒリとすごく痛い。
現在ならば体罰教師として即刻大問題になったことでありましょう。しかしその当時、親たちの反応は、躾が行き届いていない我が子たちで申し訳ないが、先生、もっともっと厳しくやってくれというものでした。

数ヶ月経るとその恐ろしいK先生にもお茶目なところがあることが解ってきました。プールの授業では水着の上に薄いガウンのようなものを羽織ったK先生は皆の前で、当時誰もが知っていた国民的なヒーロー、アントニオ猪木選手の真似をしてガウンを脱ぎ(リングではありませんが)プールにはいってくる様などに大笑いしたものです。
わたしたちはK先生に馴染んできており、叩かれた跡のミミズ腫れも「えへっ、やっちまった。ほら、こんなに腫れているぜ」などと友達に見せびらかす余裕もでてきたのでした。



K先生は広島県の出身でした。市内からは離れたところであったため被曝は免れたようでしたが、戦後荒廃した市内の様子は忘れられぬ記憶として残っていらっしゃたようです。
その市内の様子、また伝聞されている爆撃直後の様子を、そしてそのような結果を招く戦争の悲惨さ、人が死ぬということ、平和であることの有難さを時折わたしたちに語ってくださりました。

秋になると研修ということでK先生は2週間ほど学校を抜けてヨーロッパへの視察旅行へと旅立たれました。帰国後、いくつかの授業を潰して、それ以上に大切なことだとして訪問地で見てきたことを伝える時間をつくってくださいました。
(どこの国かもう忘れましたが)ホームステイさせてもらった家では1枚のちり紙(テッシュペーパー)も大切に使っている。みんなは口を一回拭っただけで捨ててしまっていないか?
またハイデルベルグの学生牢のことでしたか?壁に書かれた詩や絵など歴史的価値のあるものですが、時折観光客が落書きを加えるようで、それを咎める警告文が日本語で記されており、同じ日本人としてたいへん恥ずかしく残念な気持ちになったとのこと。
先生がこれら語って聞かせてくださった内容のいくつかをいまだに憶えている自分自身に甚だ驚くのであります。



時を経て、あれは終戦、そして原爆投下から50年となる節目のときでしたから、1995年の8月のこと。新聞の読者投書欄にK先生の名がありました。文末には都内の小学校校長との肩書きが記されており、お元気そうな様子も窺え嬉しかったと同時に、そのタイミングですからわたしたちに語ってくださったと同じ先生の原爆と戦争への思いが綴られており、懐かしさに涙が溢れました。
それからまた17年という月日が経っております。わたしたちの親と同世代である先生は如何お過ごしなのか甚だ気になります。

暴力、体罰をそのまま認めるわけにはいきません。暴力は戦争はいけないと教えてくださったのです。その人によるあの鞭打ちのような行為はなんであったのか? 少なくともわたしは、その行為を決して恨むこともなく、腫れてヒリヒリした腕の感覚の記憶を善き思い出として大切にしているのです。

December 31, 2012
  来る年に向けて、鳴り止まぬ轟音で年を越そう

この一年、脱原発運動の場で活躍するドラム隊の数多の音を録り、アップしてまいりました。10月頃より私自身それまでのペースで通うこと、および音を編集アップする作業を行なうことが難しくなってしまいましたが、十一月十一日の「11.11反原発1000000人大占拠」で収録した音は年内にはアップしたいと思っておりました。
今宵大晦日に至ってようやっとその準備が整いましたので満を持してアップしたく存じます。

11.11 反原発1000000人大占拠より
東電前抗議サウンド

"11.11 One Million Strong Against Nuclear Energy" in front of TEPCO, Tokyo on Nov 11, 2012. by Makoto Niijima on Mixcloud

11.11 反原発1000000人大占拠より
国会議事堂前サウンド

"11.11 One Millon Strong Against Nuclear Energy" in front of the Diet Build by Makoto Niijima on Mixcloud

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今年一年もここにアクセスしてくださる皆様によってエントリー・アップを続けることができました。来る年もどうぞよろしくお願いいたします。

December 9, 2012
  その閃光とノイズはたちまちに鑑賞者を魅了することでしょう。

その閃光とノイズはたちまちに鑑賞者を魅了することでしょう。
美術作家、オプトロン・プレーヤーであります伊東篤宏氏の個展「V.R. Specter」が開期中です。
わたくしもまだ今回の展示には参じておりませんが、甚だ楽しみなのであります。

伊東篤宏 「V.R. Specter 視る音、聴く光」
http://www.officekubota.com/snowcontemporary/exhibition/
会期:2012年12月16日(日)まで 12:00〜20:00 ※月曜休館
会場:SNOW Contemporary (XYZ cllective) 入場無料
   東京都世田谷区弦巻2-30-20 1F


さて、伊東篤宏氏が奏でる自作音具「オプトロン」とは如何なるものか、このSNOW Contemporaryさんにて9月に行なわれたパフォーマンスを収録してありますので、どうぞ視聴ください。
なお本音源、映像の公開許可を伊東さん、およびSNOW Contemporaryさんよりいただきましたことこの場を借りて御礼申し上げます。

Atsuhiro Ito 120914 by Makoto Niijima on Mixcloud



動画はiPhoneでの収録のため、手ぶれ、フォーカスぶれが激しく、映像ノイズも多分にございますことご了承ください。サウンドは上の(Mixcloudにアップした)音源と同一のものをシンクロし貼付けてあります。 なお暗い中で光が明滅を繰り返しますので、光過敏性発作等の不安を抱える方は視聴をお控えください。

Atsuhiro Ito 120914 from Makoto Niijima on Vimeo.

収録:2012年9月14日 SNOW Contemporaryにて

※なお動画、サムネイル画像で、プレイする伊東さんの背後に写っている黄色いギターは山川冬樹さん作、放射線に反応して音を発する「原子ギター」です。

September 26, 2012
  さまざまなコールがこの運動の層の厚さをモノガタル

九月二十一日のドラム隊。この日は二組に分かれ、大編制隊が官邸前より各省庁を巡る遊撃隊となり、もう一組の最小編成隊は国会前スピーチエリア、ファミリーエリアを訪れ、そしていつもの旧陸軍参謀本部脇で二組が合流、壮絶なコールと打楽器の音圧を轟かせました。
わたくしは小編成隊のほうに同行したのですが、訪問先でのコールの色の違いにサウンド的な興味を募らせました。これらさまざまなコールのスタイルは、この反原発運動の層の厚さを物語っているでありましょう。

9.21 官邸周辺抗議行動より
 ドラム隊のサウンドを20分弱に短縮編集したヴァージョン

■今回は著作権の関係でストリーミングのみ、お楽しみください。

No nukes demo around the Premier's residence Tokyo Sep 21, 2012. by Makoto Niijima on Mixcloud

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September 23, 2012
  都市と人々との関わりとは何なんだろうか

随分日が経ってしまいましたが九月十四日に世田谷のSNOW Contemporaryさんにて「明日は、はじめて見る今日」展のオープニングに行っておりましたのでエントリーいたします。

このグループ展にSWOONの新作が展示されるとのこと教えていただきましたので楽しみであったこと、またこの日に限り伊東篤宏さんのパフォーマンスが催されるとも知りオープニングレセプションに駆けつけた次第です。

(画像は作品の一部分です)


上の画像は3点展示されたSWOONの新作のうち「Bangkok」と題されたブリキ板にシルクスクリーンを貼った作品の「一部分」です。彼女らしい素材の選択と精巧な切り絵。そして何かを語ろうとしているのか、語ろうとしていないのか、作品中の女性の眼差しに惹き込まれます。

わたしはSWOONの3点からだけでなく、このグループ展全体から「都市と人々との関わり」といった俯瞰的テーマを勝手に想像し各々の作品を楽しんで観てまわったのでした。
例えば飯沼英樹さんの木彫人形からは「ああ、こういう人たち東京では見かけるなぁ」と思ったことから始まり、竹内公太さんのコラージュ写真も都市になにげなく、そして極普通にあるもの、しかし日常的ではないもの、ツンとすましてあらゆる関係を絶ってそこに在るものを、親近感湧く存在に変えてしまっていること。off-Nibrollによる「a quiet day」も鳥小屋でありながら、それは擬人化されたものと誰もが思えるでしょう、、、

もちろんこれらはいつも偏った見方をするわたくしの勝手な想像からの印象であるますことはこのブログを常々読んでくださっている方々には明白でありましょう。是非みなさまもこの展示をご覧になって各々の想像に耽る時間を過ごしていただきたいと思います。

展覧会概要
「明日は、はじめて見る今日」
会期:2012年9月30日まで 12:00〜20:00
   24日(月)休廊
会場:SNOW Contemporary
住所:東京都世田谷区弦巻2-30-20 1F 東急田園都市線、駒沢大学駅(西口)から徒歩15分

September 22, 2012
  独裁者を許すな

いろいろとやってくれるものです。民意を無視し、さらには国会軽視。現政権の独裁にはほとほと呆れ、そして最大級の怒りがこみ上げてきます。
その中心に座る野田佳彦においては、恐らく彼自身の正義感に燃え、国民にとって正しい道を選択していると考えているのでありましょう。ますます手に負えない輩でございます。そういう輩は次の選挙で落選させなければなりません。
ということで九月十七日、野田の地元千葉県船橋で行なわれた「敬老の日は野田K.O.の日 黄色い電車連合プレゼンツ 脱原発デモ IN 船橋」へと行って参りました。

以下、そのデモ中のドラム・ブロックのサウンドです。

9.17 脱原発デモ 船橋 より
 ドラム隊のサウンドを14分強に短縮編集したヴァージョン

No nukes demonstration Funabashi, Chiba, Sep 17 2012 edited short ver. by Makoto Niijima on Mixcloud

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上のストリーミング音源をダウンロードされたい方は下よりお願いします。
mp3 音源 ダウンロード(14分25秒、33.3メガ)
 圧縮音源ファイル(mp3形式 320kbps)


wav 音源 ダウンロード(14分25秒、145.5メガ)
  非圧縮音源ファイル(wav形式 44.1kHz, 16bit = CDクオリティ)

 こちらはデータ容量が大きいのでご注意ください。

※此処で紹介させていただきました全ての音源ファイルは商用利用以外の全てにおいてご自由にお使いいただけます。


 ・このページへのリンク歓迎 http://across.mniijima.com/2012/09/post_441.html
 ・またお手元にダウンロードされた音源の再配布もOKです!

●また当日ドラム隊のすぐ前でデモを行なったサウンドカー・ブロックの音はこちらです。↓

Live on a truck at No Nukes Demo Funabashi, Chiba on Sep 17th, 2012. by Makoto Niijima on Mixcloud

こちらはストリーミング再生のみお楽しみください。

Very special thanks to ECD, AKURYO, ATS and i Zoom i Rockers Soundsystem.